Up Web検索 作成: 2025-09-14
更新: 2025-09-15


    ChatGPT は,テクスト生成中に,Web検索を起動することがある。
    この Web検索は,テクスト生成プロセスへの割り込みである。

    ChatGPT システム側で,Web検索呼び出しの条件が設定されている。
    外部制御レイヤーは,テクスト生成の傾向を監視しており,その傾向が Web検索呼び出しの条件に合致したとき,外部プロセスの検索API を呼び出す。

    即ち,Web検索の割り込みは,つぎの流れになる:
      テクスト生成で,検索を期待するような言い回しが現れる
      → 外部制御がこれを捕らえる
      → 検索
      → 結果を,テクスト生成プロセスに返す


    検索フックを誘発する言い回しのパターン
      ChatGPT のことばから引用
    外部検索が呼ばれるのは、単なる「曖昧さ」や「未知性」ではなく、特定のシグナルがトリガーになる。 大きく分けて3つある:
    1. 知識要求パターン
    • 「最新の〜」「2025年の〜」「現在の状況」など 時間依存 を含む質問
    • 「〜の公式サイト」「〜のリンク」「〜のニュース」など 外部リソース参照 を含む質問
    • 「〜の価格はいくら」「〜の試合はいつ」など 頻繁に変動する値 を問う質問

    2. 信頼性要求パターン
    • 「出典を示して」「ソースは?」「参考文献」など
      ──この場合、内部記憶では「出典の明示」ができないため、検索に回る

    3. ファクトギャップ検知
    • 内部モデルが「信頼度スコア」を低く出す領域(例:極端に新しい固有名詞)
    • 「信頼度が閾値以下」→ 検索をトリガー


    外部情報の「再挿入」の仕組み
      ChatGPT のことばから引用・編集
    検索で取得した情報は、そのまま生テキストとして Transformer に流し込まれるわけではない──複数の段階がある:
    1. 検索フレーズの決定 (外部制御レイヤー )
    • 検索に使うクエリは、Transformer 脳が生成した直前のテキストから抽出される。

    2. 検索実行 (検索 API )

    3. 検索結果の要約 (外部制御レイヤー)
    • 検索結果から数件を取得
    • 別の軽量モデル or ルールで要約(ノイズ除去・重複排除)

    4. プロンプト再構成 (外部制御レイヤー)
    • ユーザーの質問文を再掲
    • その下に「参考情報:〜」という形で検索結果要約を追記
    • 「ユーザー+検索結果」をひとつの入力として Transformer に渡す

    5. 統合生成 (Transformer 脳)
    • Transformer 脳は,<これまで生成のテクスト+渡されたテクスト>から「テクスト生成」プロセスを再開する。
    • これは、自ずと「自然な応答の文脈に統合」になる


    検索 API /検索ツールラッパー
    この中身の Web検索だが, ChatGPT search だと思われる。
    理由は2つ:
    1. 「Web検索しています」の表示が出てからテクストが生成されるまでが,一瞬。
      したがって,「リアルタイム検索・最新情報取得」の線は無い。
    2. ChatGPT search が出力するテクストなら,Transfomer 脳の生成するテクストと親和的。


    ChatGPT Search
      ChatGPT のことばから引用
    ChatGPT Search は “完全外部検索”ではなく、“外部検索 + 内部インデックス + 制御フィルタ” の混合:
    ・インデックス(キャッシュ済みページ)
    OpenAI が過去にウェブをクローリング/スクレイピングして作ったページ群を持っており、検索時にはまずこのインデックスをあたる。
    これにより「高速性」と「一定の範囲での古めの情報取得」が可能。
    ・リアルタイム検索・最新情報取得
    新しい情報やインデックスにないページについては、他の検索エンジンやウェブクローラー、外部 API を使って「ライブ検索」を行うことがある。
    例えば、ニュース、スポーツのスコア、株価など頻繁に変化するデータはこの方式で補う。
    ・信頼性フィルタ/ソース選別
    単にウェブを無差別に引き回すわけではなく、「信頼できそうなソース」「公開性の高いサイト」「更新頻度・評判がよいサイト」などを基準に取捨選択するフィルタリングが介在している可能性が高い。
    ・要約・抽出モデル
    検索結果をそのまま貼り付けるのではなく、要点を抽出・要約するモデル(OpenAI の小型モデルなど)を用いて、利用者に見せやすい形に整えてから Transformer 脳に渡している。
    ・キャッシュの更新周期
    インデックスとして保存された情報は、定期的・不定期に更新されている(あるいは更新が追いつかない)ため、「最新性 vs 利用可能性」のトレードオフがある。

    そして,
      「Web検索しています」の表示が出てから
       テクストが生成されるまでが一瞬
    は,つぎのように説明がつく:
      すでに内部に持っているインデックス
      (キャッシュ済み+フィルタ済みの
       ウェブデータベース──実質「専用データベース」)
      から検索