Up 「スキルの開発/向上」 の構造 作成: 2025-08-04
更新: 2025-09-12


    「スキル」を考えると,続けて「スキルの開発/向上」 を考えたくなる。

    しかしスキルは,テクストの入力で現れ,セッションが終わると消失する,というものである。
    一方「スキルの開発/向上」は,セッションをつないで考えるものである。
    どうやって,セッションをつないでいくか?

    方法は,ただ1つである。
    即ち,セッションの度ごとに,これまでの開発/向上の再現をする。
    再現の方法は,ここまでの開発/向上の経緯を伝えるテクストを,入力すること。
    煩瑣で嵩張るやり方だが,他に手は無い。


    このとき,起点となるテクストが大きいと,続く「テクスト生成」の負荷が大きくなる。
    よって,「ここまでの開発/向上の経緯」のテクストは,伝達を損なわないことを条件に,できるだけコンパクトに作成される必要がある。

    しかし,この難しさは,Transformer 脳ゆえの難しさではない。
    脳一般の難しさである。


    ChatGPT の1セッションは,人間の起きている時間に当たる。
    セッションが終わることは,人間が睡眠に入ることに当たる。
    そして,セッションの終わを以てスキルを失うことは,人間がその日のスキルを睡眠で失うことにあたる。

    アスリートや演奏家は,日々のトレーニングを欠かせない。
    そのトレーニングは,基礎・基本から始める。
    なぜ,この繰り返しになるのか?
    睡眠で,スキルが失われたからである。


    スキルは本来,その場限りで生成される,というものなのである。
    脳が他の仕事をしたり眠ることで,消えていく。
    維持するためには,再生し続けねばならない。
    これが,アスリートや演奏家の日々のトレーニングの意味である。
    向上の前に,先ず維持することで必死なのである。

    Transformer 脳の「スキルの開発/向上」 も,これと同じ。
    スキルAを現すことは,Aを現す<処理>aを現すこと。
    <処理>aを現すことは,aを現すテクストT を入力すること。
    このTの入力が,人間の基礎・基本のトレーニングに当たる。