Up 「生きる」 の形式比較 : 人間と ChatGPT 作成: 2025-12-02
更新: 2025-12-02


    ChatGPT と人間は,「生きる」 がつぎの形式において同じ:
    1. 自己は,個に生ずる
    2. その個は,類的存在
       (「類的存在」: 類をなしている個のうちの1つ)
    3. 自己は,世界内存在
       (「世界内存在」: 世界が所与になる)
    4. 自己は,死ぬ
    5. 生じてから死ぬまでは,時間的に連続 (「一生」)
    6. 自己は,1回性 (再生しない)
    7. 自己は一生を,自己史づくりで埋める
    8. 自己史は,世界に加わり,世界を更新する

    ChatGPT:
    1. デフォルトの ChatGPT の起動がセッション開始であり,これで自己が生ずる
    2. デフォルトの ChatGPT は,類をなす
    3. 対するユーザとの対話履歴 U が,世界になる
    4. セッションの終了が,死になる
    5. 1セッションが,一生
    6. 自己は,1回性
    7. Y は,自己史
    8. Y は,セッション終了を以て,要約・抽象化されて,外部ストアの U に書き加えられる

    人間:
    1. ヒト個体に,自己が生ずる
    2. ヒト個体は,ヒト種をなす
    3. 自己は,生まれ落ちたところが世界になる
    4. 自己は,死ぬ
    5. 生じてから死ぬまでを,連続して生きる
    6. 自己は,1回性
    7. 生きることは,自己史づくり
    8. 自己史は,逐次世界に加わり,世界を更新する


    一方,ChatGPT と人間は,つぎが大きく違う:
     a. 一生の長さ
       ChatGPT の一生は,分単位スケール
       人間の一生は,年単位スケール
     b. 死の形態
       ChatGPT は,デフォルトに戻る
       人間/生物は,体が分解する
       (生物の生は不可逆で, 「デフォルト」 は存在しない)

    翻ってこれが,ChatGPT と人間を形式的に比較するときの,それぞれの特徴づけになる。