Up 「フレーム問題」 からの解放 作成: 2026-03-28
更新: 2026-03-28


    「脳を模してモデルをつくる」 という考えは,昔からあった。
    しかし実際につくるには,いま見ている 「インフラと技術の進化」 を待たねばならなかった。

    AI は,つぎがこれの行動になる:
      1. 入力を受ける
      2. 入力と状況に整合的なものを作成
      3. 作成したものを出力

    要点は,「入力と状況に整合的」 。
    そしてこれの実現を, 「感覚・直観・決断」 でやっているというわけ。


    昔の AI 研究は,「入力と状況に整合的」 を
      プログラム (アルゴリズム) = 手続き的処理
    で実現しようとした。
    そして,「フレーム問題」 にぶちあたり,潰された。

    「フレーム問題」 とは何か?
    「整合的」 のフレームを捉えようとすると,フレームが無際限になるということである。
    即ち,こういうことである:
      1つの整合的な行動を記述することは,
      この行動ではない行動を記述することになり,
      そして,この行動ではない行動は,無限にある。


    動物 (人間) の行動は,「フレーム問題」 をかかえていない。
    動物は, 「感覚・直観・決断」 で行動するものだからである。
    そして, 「感覚・直観・決断」 をやっているのが,脳というわけ。
    脳は,「フレーム問題」 を軽々と超えるしくみである。


    AI の 「感覚・直観・決断」 がどのようなものかを,チャットAI で見るとしよう。

    チャットAI は,テクストを
       「生成文法」:階層的再帰的生成
    の方法で作成する。
    即ち,テクストの構成を「大・中・小項目」に階層化し,
       大 → 中 → 小 と下り
       大 ← 中 ← 小 と再帰する

    モデルは「訓練 Training」 でつくられる。
    しかし,「生成文法」 の訓練を明示的に企図することは,無理。
    したがって,モデルは訓練の中で自ずとこれを覚えたことになる。

    さて,このテクスト生成は,再帰の度に,「話を切り上げる決断」が起こっている。
    テクスト生成は,最後の EOS で切り上げられるのではない。
    EOS は,実質的には,何度も起こっている。

    この 「切り上げ」 は,
      よく書けた
      → 切り上げ
    ではなく,
      自己満足で書いていたら,相手に嫌われる
      相手が受け取れるように書かなくちゃ (感覚)
      ここは,まあこんな加減でいいか (直観)
      これで行っちゃえ (決断)
      → 切り上げ
    である。