Up 太田竜らからの攻撃/脅迫 作成: 2017-02-23
更新: 2017-03-27


      太田竜 (1972a), p.67
     私は、北海道大学の教職員、学生、もと学生に対して要求する。 同大学北方文化研究所の一切の活動を停止させよ、と。
     高倉新一郎をボスとするこの研究所こそ、日本国におけるアイヌ研究の総本山であり,和人(シャモ)権力によるアイヌ絶滅作戦の総括と教訓を引き出してきたのである。
     高倉新一郎。この男から、すべての財産を没収せよ。

      太田竜 (1972b), p.96
     大学の権威あるアイヌ学者たちは、八月二十五日の糾弾行動のあと、若干の恐怖を感じている。
    彼らは、第二線に退却した。

      太田竜 (1972c), pp.223-225
     北方民族研究所が、平取町二風谷アイヌ文化資料館完成への祝辞として、「全道アイヌ同胞へのメッセージ」を発した。 その一部を引用する。
     
    全道アイヌ同胞へのメッセージ
     アイヌ文化資料館の完成、開館に当って、アイヌ部族独立の機運促進を目的として一九七二年五月に設立された北方民族研究所から、お祝いのあいさつを、会道のアイヌ同胞に送ります。
     しかし「お祝い」ばかりですましているわけにもゆかないのです。 なぜなら、私たちは、多年に渡ってアイヌ部族を精神文化の領域で絞め殺して来た和人のアイヌ専門学界という巨大な敵との闘争を、いま始めたばかりなのですから。
     私たちは、次の十三人の指導的な和人アイヌ専門家を、アイヌ部族に敵対したA級侵害犯罪人として指名します。
      1、故河野常吉
    2、故河野広道
    3、河野本道
    4、故金田一京助
    5、高倉新一郎
    6、更科源蔵
    7、藤本英夫
    8、故久保寺逸彦
    9、故児玉作左衛門
    10、名取武光
    11、奥山亮
    12、犬飼哲夫
    13、林善茂
     金田一京助が生涯の仕事としてやったユーカラの研究とは一体何でしょう。
     アイヌ部族のユーカラ伝誦の活動を「安楽死」させ、そして死体の解剖報告書を、征服者たる日本帝国にささげること、それです。
     ‥‥‥‥‥‥
     一九四五年八月十五日、日本帝国は敗れました。 そしてそのとき、全道のアイヌは解放の喜びに充ちあふれ、アイヌ部族独立ののろしが挙げられたのです。
     この志を、私たちは受けとめようと決意しました。‥‥‥ 
     一九七二年六月二二日

    「学者たち」に警告しておく。
    詩人新谷行と私によって起草されたこの北方民族研究所宣言は、必ず、着実に実行に移される、ということを。



  • 引用文献
    • 太田竜 (1972a) :「アイヌ革命論」
      • 収載:太田竜『アイヌ革命論』, アイヌ共和国情報部 (新泉社), 1973, pp.43-86
    • 同上 (1972b) :「クナシリ蜂起の志を継ぐ」
      • 収載:同上, pp.87-103
    • 同上 (1972c) :「アイヌ共和国独立・夢と展望」
      • 収載:同上, pp.208-225