Up 「アイヌ」は,「和人」が必要条件 作成: 2017-03-30
更新: 2018-11-20


      最上徳内 (1808), p.536
    ゑそも又松前によらされば、あるところの魚藻、米、酒、諸物に易ふることあたはず。
    故にそむくといへどもまたしたがひ、漸くひらけて今にいたる。


    交換物のうちで肝心のものは,鉄器である。
    アイヌの漁猟採集生活は,鉄器があるばかりでなく,鉄器あってのものである。
    ところで,アイヌは鉄器をつくらない。
    鉄器は,和人がもたらす。
    よって,アイヌの漁猟採集生活は,最初から和人が要素になっている。

    和人と出遭ってアイヌが生じる。
    和人と出遭う前にアイヌがいるのではない。


    引用文献
    • 最上徳内 (1808) :『渡島筆記』
      • 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻 探検・紀行・地誌 北辺篇』, 三一書房, 1969. pp.521-543