Up 和人依存 作成: 2016-11-19
更新: 2016-11-19


    「北海道の歴史」の歴史区分の中に,「アイヌ文化期」のことばが見える。
    「アイヌ」とは,この「アイヌ文化期」の「アイヌ」のことである。
    即ち,「アイヌ文化期を生きた者」が,「アイヌ」の意味である。

    「アイヌ文化期を生きた者」は,「人種」の括りにはならない。
    「系統」をいえば,「様々な系統」と表現することになる。


    このアイヌは,衣食住が根底のところで和人依存だという点に,特徴がある。

      アイヌ博物館に入り,「アイヌ文化期」コーナーの展示物を観る。
      これがはじめての者は,どう見ても和製品だという品の陳列に,先ず違和感を覚えることになる。 実際,それらは和製品であり,アイヌ・オリジナルではない。
      金属を使用している道具は,金属が移入(もの)になるから,すべてアイヌ・オリジナルではないことになる。
      そこで,「アイヌ・オリジナルは?」となって,「アットゥシ attus」とか木製品の陳列に向かう。
      しかし,アットゥシの「アイヌ模様」をつくっている綿布や糸は,和物である。 針も和物である。
      木製品も,切ったり削ったりする道具において金属即ち和物が含まれている。
      博物館の屋外には,アイヌの住居の復元が展示されているかもしれない。
      それは,木と草でつくられている。 しかしこれも,工程を木や草の切り出しから考えれば,和物の介在がある。
      「食」はどうか。
      狩猟採集の道具に,金属などの和物が含まれている。 あるいは,道具の制作過程で,和物の介在がある。
      また,米,酒,煙草は,和物である。
      こうして,アイヌ・オリジナルとなるものは,結局存在しない。


    「衣食住が根底のところで和人依存」は,「アイヌは和人無しではいられない存在」を意味する。
    特に,「自然とともに生きる民」──この意味は, 「自然の中で自活する民」──のアイヌ像は,間違いである。
    「自然の中で自活する民」は,アイヌより前の時代のものである。

    強調するが,アイヌより前の時代の「自然の中で自活する民」は,アイヌではない。
    このことは,第一に,"アイヌ" が証明してくれている。
    "アイヌ" は,「これがアイヌだ」と彼らが定めるものをパフォーマンスしている。
    その内容は,「アイヌ文化期」の内容である。
    これより前の時代のものではない。