Up 「"アイヌ"」 作成: 2016-11-17
更新: 2016-11-17


    アイヌ系統者で "アイヌ" になる者は,つぎの2タイプに分かれる:
    1. 「アイヌの系統」を,売りにする
    2. 「アイヌの系統」を,アイデンティティーにする


    「アイヌがアイデンティティー」の者は,哲学する者である。
    そして哲学すれば,「アイヌもシャモもない」になる。

    そこで,「アイヌがアイデンティティー」の者は,「アイヌが売り」を却ける者になる。
    実際,「アイヌが売り」に対する批判・非難は,「アイヌがアイデンティティー」の者がする批判・非難が,いちばん容赦ない。

    しかし,「アイヌがアイデンティティー」は,持ち堪えられないスタンスである。
    第一に,「アイヌもシャモもない」と「アイヌがアイデンティティー」は,自家撞着である。
    この自家撞着を生きることは,続けられない。
    第二に,「アイヌがアイデンティティー」は周りが自分を「アイヌ」として構ってくれてこそのものであるが,周りは自分を「アイヌ」として構ってくれるものではない。
    構ってくれないから周りに自分を「アイヌ」として触れ回る,ともならない。 ──それは,「アイヌがアイデンティティー」が却けるところの「アイヌが売り」である,

    そして,「アイヌがアイデンティティー」タイプの "アイヌ" は,もともとマイナーな存在である。
    「アイヌがアイデンティティー」は,哲学道だからである。


    こうして,"アイヌ" のうち「アイヌがアイデンティティー」タイプは,姿を消す。
    「アイヌが売り」タイプだけが,残ることになる。