Up 自家撞着の隠蔽 作成: 2017-03-02
更新: 2017-03-02

    つぎを区別する：
      「反差別」は，自分の自然体
      「反差別」は，自分の立場
      「反差別」は，自分の運動

    ３番目の「反差別」は，必然的にイデオロギーになっていく。
    なぜなら：
      「反差別」の運動は，自家撞着する。
      運動は，この自家撞着を無理矢理封じ込める。
      　──運動は，出てきたボロをその都度隠していかねば成り立たない。
      「無理矢理封じ込める」は，虚偽の論をつくるということである。

    実際，「反差別」イデオロギーは，つぎの絵に至らねばならない：
    • シャモの子どものすべてが，アイヌの子どものすべてを，いつも，いじめる。
    • シャモの雇用者のすべてが，アイヌの被雇用者のすべてを，いつも，酷使する。
    • シャモの男のすべてが，アイヌの女のすべてを，いつも，強姦する。
    なぜなら，「すべて」「いつも」でなければ，「シャモがアイヌを‥‥‥」の言い回しができないからである。
    しかしこれは，自家撞着する：

    • 「実態調査」をすると，「いつも学校でいじめられる」に相応しい数値になってくれない。──さて困ったぞ。
    • 鰊漁場の「酷使」とは，どんなだ？鰊待ちとか天候が荒れて漁ができないときは，どんな「酷使」がまっている？これらを考え出さねばならない。──さて困ったぞ。
    • 酷使・強姦されるために「出稼ぎ」はしないから，「出稼ぎ」ではなく「強制」だ。その「強制」システムは？これを考え出さねばならない。──さて困ったぞ。

    この自家撞着に対し，「反差別」を運動する者はどう応ずるか。
    問いの抑圧でのぞむというわけである。


    「反差別」運動者は，「アイヌが泥棒」「アイヌが凍死」の新聞報道に抗議して，これをやめさせた。
    抗議の論法は，「種の無意味」および「頻度・程度」である。
    この論法は，自分が行う「シャモがアイヌを‥‥‥」の訴えに跳ね返ってくるものである。
    しかしこちらの方は，抑圧する。

    「反差別」の運動は，このようにご都合主義になる。
    一般に，イデオロギーはご都合主義である。