Up | 「アイヌの代表」: 要旨 | 作成: 2016-12-11 更新: 2016-12-11 |
アイヌ協会理事長が,国連に行って「アイヌ民族を代表して」を言う。 「アイヌ民族の代表」を自任しているわけである。 ○○を研究分野とするある学会の会長が,「○○学者を代表して」と演説したら,「誰に断っておまえは代表なんだ!」になる。 ○○学者で,その学会に属していない者がいるからである。 一方,アイヌ協会だと,「誰に断っておまえは代表なんだ!」にはならない。 アイヌ系統者で,アイヌ協会員にならない者がいるのにである。 なにが違うのか? 違うのは,「代表」の概念である。 学会とアイヌ協会では,「代表」の概念が違うのである。 実際,アイヌ協会の「代表」の概念は,左翼イデオロギー譲りである。 左翼イデオロギーの者は,「人民の代表」を自任する。 少人数の集まりでも,「人民の代表」である。 どうしてこんな思いが持てるのか? 前衛主義に立つからである。 前衛主義は,民主主義がこれの対立概念になる。 学会の「代表」の概念は,民主主義の「代表」の概念である。 一方,アイヌ協会の「代表」の概念は,前衛主義の「代表」の概念である。 前衛主義と民主主義は,「皆」の意味づけの仕方が違う。 民主主義では,皆は,<代表を選ぶ者>である。 代表に選ばれた者が,代表行為をやれる。 前衛主義では,皆は,<自分が導かねばならない者>である。 自分は,いつでも代表行為をやれる。 アイヌ協会執行部に入るとは,前衛主義に即くということである。 アイヌ協会とは,そういうところである。 アイヌ協会執行部の思考回路は,左翼イデオロギーの前衛主義である。 この前衛主義が,国連に出て「アイヌ民族を代表して」を言うことをさせる。 ちなみに,「アイヌ遺骨返還」もこの類である。 これを運動する者たちは,「祖先・同胞の代表」を自任する。 民主主義だと「祖先・同胞がいつおまえを代表にしたんだ!」になる類であるが,思考回路が前衛主義だから,いつでも好きなときに「祖先・同胞の代表」になれるわけである。 そして,訴えられる方も,根っこが前衛主義なので,彼らをすんなり代表として認めてしまう。 |