Up 「系の遷移」の教養を欠く 作成: 2016-12-12
更新: 2016-12-13


    生態系は,相が遷移する系である。
    「遷移」の内容は,種の盛衰,優勢種の交替である。

    日本酒づくりは,微生物遷移の利用である:
(秋山裕一『日本酒』(岩波新書), 岩波書店, 1994)

    フラスコに水を入れて放置する
    この中に,空気中に漂っている微生物が落ちてくる。
    そしてこれが,フラスコの中に「遷移する生態系」を現す:
(栗原康『かくされた自然──ミクロの生態学』, 筑摩書房, 1973.


    フラスコの水の中に発生した微生物においては,つぎの訴えが成立する種は存在しない:
      われわれは先住民族だ
    微生物にそんな能力が無いから存在しないのではない。
    論理として存在しない。
    実際,フラスコの水の中に最初に現れた種は,不明である。

    北海道を舞台にした「種の遷移」の中に,「アイヌ」が現れそして消えた。
    この「アイヌ」が「われわれは先住民族だ」を訴えることは,成立しない。
    北海道に最初に現れた種は,不明である。