Up 必要条件「アイヌ民族/先住民族」 作成: 2016-12-13
更新: 2016-12-13


    われわれは先住民族だ」「われわれの土地を返せ,返せないなら賠償しろ」を唱える者は,誰に何をすることが「賠償」になるかを指定する者である。
    彼らが指定することになる「賠償」の形は,つぎのものである:
      「国が賠償金をアイヌ協会に振り込む」

    実際,この場合の「誰に何をする」は,個別対応の形になるものではない。
    そこで,「誰」を,ぼんやりしたまとまりにしなければならない。
    それが「アイヌ民族」である。
    つぎに,<アイヌ民族への賠償金の振込>を,<アイヌ民族の窓口への賠償金の振込>に代える。
    そして,アイヌ協会が,「アイヌ民族の窓口」をやる。


    「アイヌ民族/先住民族」は,この構図において必要になるものである。
    「アイヌ」は存在しないから,「アイヌ民族」が必要になる。
    そして,「賠償」の根拠として,「先住民族」が必要になる。


    ひとは,ことばに騙される。
    「アイヌ民族に賠償」のことばを聞くと,つぎのように錯覚する:
    1. 具体的な個人の集合として,「アイヌ民族」のことばで括られる人の集合が存在する
    2. 賠償は,その個々人に配られる

    事実は,「アイヌ協会に金を振り込む」である。
    実際,「存在しないアイヌへの賠償」を無理矢理定めるとしたら,その形は
      「アイヌ民族の窓口であるアイヌ協会に,賠償金を振り込む」
    しかないわけである。


    アイヌは存在しない。
    アイヌ協会に,存在しないアイヌへの賠償金が入ってくる。
    そこで,賠償金は,「アイヌ協会」を自分の役にしている者たちのものになる。
    この金は,彼らとそのファミリー (取り巻き) のものになる。

    この構造はこれまでと同じであるが,金の額がぜんぜん違うというところが,肝心である。
    この構造で金の額が大きくなると,先には腐敗──金権腐敗──しかない。

    一方,この金権腐敗は,経済の眼から見れば,りっぱな経済効果である。
    業界は,この経済効果を当て込む。
    北海道知事がアイヌ協会と連携しているのは,業界の利益代表として連携しているわけである。
    そしてこのことには,良いも悪いもない。
    あたりまえ・当然のことである。