Up 「系統」の定義 作成: 2016-11-20
更新: 2016-11-20


    系統Aの男と系統Bの女が,子をつくる。
    さて,その子の系統は,どう定まるか?
    このときどう定めるかが,「系統」の定義になる。

    ひとが先ず考えそうなのは,つぎのものである:
      《系統Aに属する男と系統Bに属する女から生まれた子は,
       系統AとBの両方に属する》
    しかし,この規準では,系統は定まらない。
    なぜなら,個は,自分の先祖がそれぞれが属していた系統のすべてに属することになる。 系統が限りなく広がるこの状態は,「系統」が意味をもたない状態である。

    結局,「系統」の定義は,父系・母系の二通りに収まることになる。


    しかし父系の方は,系の所属の決定に恣意性が入ってくる。
    そもそもこれは,結婚制度が前提になる。
    結婚・離婚で女の所属が変わる。そして離婚では,子の所属は合議で決めるところとなる。

    これに対し母系の方は,個人は一定の系統にきちんと収まる。
    そして,生物全般 (但し, 「性」を人と同じように考えることのできる生物全般) に通用する。

    「アイヌの系統」が考えられるのも,「母系」の意味においてである。
    そこで,「母系」を「系統」の定義とする。


    「母系」は,つぎのように定義される:
    定義
    女aに対し,集合「a系」を,つぎのように (再帰的に) 定義する:
       1, aは,a系に属する。
       2. 女xがa系に属するとき,xの子はa系に属する

    つぎが,母系a系のイメージである (確認せよ):

    定理
    a系に女bが属するとき,a系 ⊃ b系

     註 : 「母系」は,数学の「有向集合」になっている。