Up 「アイヌ協会不正会計」問題──その本質 作成: 2020-02-09
更新: 2020-02-09


    "アイヌ" は,「アイヌ新法」を準拠法とする「アイヌ交付金」を,当然自分たちに交付されるものと思う。
    実際,「アイヌ交付金」は,はじめ「アイヌ協会」を運用主体とする形で交付された。

    企業は,金を得るために事業をつくる。
    交付金事業も,これと同じである。
    《やりたい事業があり,交付金を申請する》ではない。
    《交付金を得るために,事業をつくる》である。

    一旦交付金を得れば,このような事業は無理してやるものではなくなる。
    いい塩梅にやるものになる。

    この《いい塩梅にやる》は,昔は見て見ぬふりもしてもらえたものだが,時代が「コンプライアンス」になると,突っ込まれるようになる。
    そして突っ込まれれば,これは犯罪である:
      朝日新聞, 2009-11-20
    アイヌ協会 釧路支部 道が立ち入り調査
    市も事実確認へ
     アイヌ民族関連の委託事業で不正な会計処理の可能性が指摘された問題で、道は19日、北海道アイヌ協会釧路支部に立ち入り調査を実施した。調査は20日までの予定。また、同協会に補助金を出している釧路市も今後、事実関係の確認などをする方針だ。
     道などによると、道は同支部に対して「アイヌ民俗文化財保存・伝承活動事業」で委託金などを支出してきた。しかし、同支部で過大請求や不自然な会計処理が行われていた可能性もあるとしている。
     さらに、釧路市教育委員会によると、道から委託されたアイヌ語講座に対し、同市の補助金を求める申請が行われていた疑いも指摘されている。同市教委は「道からの委託事業に市の補助金を請求するのは問題がある」とし、事実関係の確認を急いでいる。
     この日は午後1時過ぎ、道庁の職員8人が同支部を訪れた。道総務部行政改革局の担当者らは「公益法人の検査のため」とし、関係者から事情を聴くとともに資料の確認などをするという。
     同支部は「コメントしない」としている。

      北海道新聞, 2010-02-18
    不適切会計処理 アイヌ協などに711万円請求
    道方針 釧路支部は助成除外
     道費を支出したアイヌ民族の文化伝承事業などで不適切な会計処理があったとされる問題で、道は18日、助成先の北海道アイヌ協会とアイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)に、総額711万円の変換を求める方針を固めた。
    道は改善策が取られるまでの間、助成を停止する方針で、特に悪質性が高いと判断した同協会釧路支部については、助成対象から除外するよう同機構に求める。
     道議会から不適切処理の疑いが指摘されたことを受け、道は昨年秋以降、アイヌ協会釧路支部などが行った事業を調査していた。
    その結果、2004年度以降に釧路支部が執行にかかわった48事業のうち38事業で 
     1、伝統舞踊などの行事に参加していない人に、謝金を支払っていた 
     2、物品購入などの領収書に事実と異なる金額を記載した
    ──など
    の不適切な会計処理あったことが判明した。
    また、釧路支部では08年度に実施したと報告されていたアイヌ語や刺繍などの講座は「すべて実施されていない可能性が極めて高い」とし、さらに委託料がすべて目的外に使用されていた可能性も高いという。
     釧路支部以外でも、帯広支部と旭川支部で、不適切な処理があったとして、返還を求める。

      北海道新聞, 2010-02-21
    アイヌ協会支部の不適切会計
    道職員が水増し指示08年度
    道が道アイヌ協会札幌支部に委託している職業訓練事業に不適切な会計処理があった問題で、道は10日の道議会特別委員会で、2008年度に道職員が同支部に対し、実際にかかった経費を水増しして報告するよう指示していた事をあきらかにした。道は職員を処分する方針だ。
    自民党・道民会議の小野寺秀氏(帯広市)の質問に答えた。
    職業訓練は、アイヌ民族の求職者を対象に、道立札幌高等技術専門学院が同支部に委託して実施。道が毎年、概算で同支部と委託契約を結んだ後、同支部が訓練にかかった実費を記した収支精算書を道に提出。道は精算書に基づいて委託料を支払っている。
    道によると、08年度は実際には木材工芸や刺しゅう工芸の材料代などの実費が契約額(約260万円)を25万円下回っていたにもかかわらず、札幌高等技術専門学院の職員が契約額と同額で請求するよう、同支部に指示していたという。
    道の宮原真太郎労働局長は同特別委で「職員の対応は適切さを欠いた」と述べた。
    道によると、職員の水増し指示があったかどうかは確認されていないが、07年度も契約段階の概算費用と収支精算の額が同額で、こうした会計処理は長年にわたって慣例化していた可能性があるという。
    職員の指示による水増しの25万円を含めた不適切な支出は07、08年度で計47万円に上り、道は年度内に同支部に対し、返還を請求する。

      北海道新聞, 2010-04-01
    アイヌ協会 不適切会計、新たに75件
    道、返還請求へ
     北海道アイヌ協会の文化伝承事業などで不適切な会計処理が相次いで発覚している問題で、道は31日、新たに75件(計82万円)の不適切事例を確認し、補助金を支出するアイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)に対し、追加して返還請求する方針を固めた。道はすでに不適切とされた202件(470万円)について同機構に返還を求めることを決めており、請求総額は 552 万円になる。
     道によると、3月中旬の再調査で判明した75件は、2004〜09年度に同機構の「国内文化交流助成事業」として実施されたコタン祭や、イチャルパ(先祖供養)などに対する助成。すべてがアイヌ協会釧路支部が実施するか、釧路支部が関与して他支部などが実施した事業だった。


    アイヌ協会は,突っ込まれればたちまち犯罪になる「不正会計」を,「突っ込まれないだろう」でやっていた。
    翻って,(どう)は,いつでも突っ込めるポジションにいた。
    後は,アイヌ協会から「アイヌ事業」主体の立場を召し上げる頃合いを見てこれを発動するばかり──という構造になっていたわけである。