Up 鈴木宗男 : 要旨 作成: 2016-11-15
更新: 2016-11-15


    「アイヌ民族=先住民族」と "アイヌ"予算は,鈴木宗男の事績である。

    鈴木宗男の政治手法は,詭計と強引とねちっこさである。
    詭計で相手を騙し,強引で相手を退かせ,ねちっこさで相手を根負けさせる。 「アイヌ民族=先住民族」と "アイヌ"予算は,これが功を奏したものである。

    詭計と強引とねちっこさは,族議員の要件である。
    議員には族議員タイプとそうでないタイプがあるが,鈴木宗男は典型的な族議員である。
    何を為すにも,族議員の振る舞いになる。

    この中に,"アイヌ" 族議員としての振る舞いがある。
    そしてこれまでのそれは,「アイヌ民族=先住民族」と "アイヌ"予算盗りの(いくさ)である。
    即ち,この段階で,鈴木宗男は政治のステージから去ることになる。


    政治家をわかろうとするとき,やっていることと本意の区別が大事になる。
    「ライフワーク」をもっている政治家の場合は,「ライフワーク」が「本意」にあたる。

    鈴木宗男は,「北方領土返還」をライフワークにしていた政治家である。
    この文脈では,「アイヌ民族=先住民族」と "アイヌ"予算のうち「アイヌ民族=先住民族」の方に,彼の本意がある。


    実際,鈴木宗男は,アイヌ法の制定まで目論んでいた:
    そして,「アイヌ民族の先住民族としての権利」の言質をとろうとするにおいては,「アイヌ民族は千島列島の先住民族」「アイヌ民族はサハリンの先住民族」の展開をつぎに見込んでいる:
      2008-10-09
      千島列島におけるアイヌ民族の先住性に関する質問主意書
       三 本年六月六日、衆参両議院の本会議においてアイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議が全会一致で議決され、政府はアイヌ民族が「日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族」であるとしている。また、同年十月八日の衆議院予算委員会において中曽根弘文外務大臣は右にある政府見解と同様の見解を示した上で、「我が国の北部領土周辺ということで、それには北方四島は入ります。」との答弁をし、アイヌ民族が北方四島の先住民族であるとの認識を示している。では政府として、アイヌ民族は千島列島の先住民族であるとの認識を有しているか。
       四 政府は、アイヌ民族がサハリンの先住民族であるとの認識を有しているか。

    現政府の「北方領土返還」は,「アイヌ民族=先住民族」を持ち込ませないものである。
    「アイヌ民族=先住民族」は,はなしを面倒臭くするだけのものである。
    鈴木宗男の「北方領土返還」は,特異なものである。
    翻って,鈴木宗男は,策に溺れるタイプの政治家である。


    「アイヌ民族=先住民族」は,歴史の国家的改竄である。
    そして,この歴史改竄は,鈴木宗男の特異な「北方領土返還」に国がお付き合いした結果である。