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串原正峯 (1793), p.505
蝦夷人親類又は懇意成ものに久々にて出會たる時は、左右方よりヤンガラブテと云て、年上なる夷、年若き方の夷の左右の耳の所を兩手にて押さえ、しばらく無言にて、やゝ時を移し泪を流し、しはらくありて夫より咄なとすれとも、
互ひに親の事なとは尋ず、無事にて居るかともいわず、
是も若誤りて兩親の事など尋、其親息才にてあれはよし、若相果たる事をしらず風と親の噂など云ひ出すときは、夫より六ケ敷なり、アシンベ [つくなひ] を取らるゝ事なり。
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引用文献
- 串原正峯 (1793) :『夷諺俗話』
- 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻 探検・紀行・地誌 北辺篇』, 三一書房, 1969. pp.485-520.
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