Up 大同小異の機能性──パラフレーズ 作成: 2017-01-01
更新: 2017-01-11


    英雄伝 (ユカル) は,何本もあり,そして内容が大同小異である。
    何本もありそして内容が大同小異なのは,事件の大同小異が理由である。

    大同小異は,伝承の重要な要素である。
    大同小異は,必要なことである。
    何本もありそして内容が大同小異だから,このうちから一つを選び,他を捨てよう!」とはならない。

    例えば,「川」をひとに教えるとき,どうするか。
    一つの川を指して「これが川だ」と言ってもだめである。
    ひとは,自分が思う「川」を受け取ってはくれない。
    誤解の余地が圧倒的に広いのである。
    「川」をひとに教える方法は,色々な川を用いて「これが川だ」と言うことである。
    このとき何を教えているかというと,「大同小異」を教えている。
    こうして相手が「同」を受け取るとき,それが「川」がわかったということである。

    実際,教育の要諦は,《「大同小異」を教える》である。
    未熟な教員は,これがわからない。一つを教えて教えたつもりになる。

    文学や思想の書は,主題を要約して書けば紙一枚で済むのに,やたら分量が多い。
    それは,《「大同小異」を教える》──「パラフレーズ」──をやっているからである。
    それでも読者は「抽象的でわからん,具体例をくれ!」を言いたくなることがある。
    《具体例を示す》も「パラフレーズ」のうち,というわけである。

    「大同小異」の意義,よくよく吟味すべし。