「アイヌの終末」が描かれている文献は,つぎの一書である:
砂沢クラ, 『ク スクップ オルシペ 私の一代の話』, 北海道新聞社, 1983.
なぜこの一書か?
理由は単純である:
- 「アイヌの終末」を自ら生きた者であって,「アイヌの終末」が描かれた文書をつくった者が,砂沢クラ (1897 − 1990) の他にはいなかった。
- 外部者であって「アイヌの終末」を描ける者は,人類学者・民俗学者の資質を持ち,かつアイヌの中に深く入り,長く観察してきた者であるが,そのような者は現れなかった。
こういうわけで,砂沢クラの『ク スクップ オルシペ 私の一代の話』は,貴重な書である。
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