Up 特異化モーメントと均一化モーメント 作成: 2019-01-24
更新: 2019-01-24


    生物は進化する。
    閉じた地域だと,これは独自進化になる。
    同種でも,離れた地域では,異なる形質・生活様式を現すようになる。
    これは,種の中の特異化モーメントである。

    一方,個体はブラウン運動する。
    離れて存在する集団も,そのうち混じり合うことがある。
    このとき,形質・生活様式の違いは薄められる。
    こうして種には,特異化モーメントと併せて,均一化モーメントがある。

    生物の集団は,その中で特異化・均一化を繰り返し,先刻の自分を解体している。
    川は同じに見えるが中身は絶えず変わっている。生物の集団も同じである。


    「アイヌ」とは,このようなものである。
    「アイヌ」は「集団」概念にはならない。──実際,集団を定義できない。
    「アイヌ」は「系統」概念にはならない。──実際,系統を定義できない。