Up 進化の遡行は,存在の解体 作成: 2019-01-19
更新: 2019-01-19


    源を目指して川を溯ることは,川の解体である。
    現前の川は,無数の川の合流であり,そして合流する無数の川の間に本質的な差は無い。
    川の源というものは,存在しない。
    川は,「源」に解消するのではなく,無限分裂のかたちで解消する。

      ひとが「川の源」と呼んでいるものは,便宜的に定めたものである。
      即ち,《溯行で二股が現れたら太い流れの方を溯る》を以て溯り,途切れた箇所を「源」と呼ぶわけである。

    「アイヌ資料」として収集・記録されたものは,進化してこれに至ったというものである。
    これの時代溯行は,旧い形態・原初の形態を現すというものではない。
    溯行は,<解体して消滅>である。