Up 全個体系統図 作成: 2019-01-21
更新: 2019-01-21


    「系統」を,全個体系統図として表す。
    図の構成は,形式的構成である。

    過去・現在のすべてのヒト個体を考える。
    個体xに,xの出生時刻 f と死亡時刻 g の対 ( f, g) を対応させる。
    xが現在の個体の場合は,現在の時刻を g とする。

    時間軸を立て,xをつぎのように図表示する (横軸は不定としておく(註)):

    性別を込めて表すときは,「女 : 赤,男 : 青」とする :

    個体xが個体y,zをそれぞれ母,父として産まれたことを,つぎのように表す:

(母とつなぐ横線は赤,父とつなぐ横線は青)

    これをすべての個体に対して行うと,<全個体系統>図が得られる。


    この図は,途方もないものになる。
    「アイヌ民族」を主張するイデオロギーは,この途方もない絵図の中に「アイヌ民族」のパターンを特定できると主張していることになる。

    系統図は,時空間の中のネットワーク模様になる。
    ネットワークは,《一部を取り出そうとして持ち上げると,それに連なって周りがつぎつぎと持ち上がる》というものである。
    また,《一部を特定部位として切り出そうとすると,切るべき箇所がわからなくなる》というものである。
    翻って,「アイヌ民族」を主張する者は,系統がネットワーク構造をなすことを知らない者である。


     註 : 「横軸」は,「時空間」の「空間」の座標軸ということになる。
    個体は空間を移動するので,個体を表すことにした線分は,実際は曲線である。
    また,「時空間」の設定は絶対空間を立てることになるが,「絶対空間」は仮定のものである。
    「横軸は不定としておく」とは,このようなめんどうなことは考えないとしよう,ということである。