Up デマゴギー「アイヌを旧土人と呼んで差別した 作成: 2017-02-01
更新: 2017-02-01


    アイヌ系統者のうちに,「アイヌ特権」を求める者がいる。
    彼らは,「アイヌ特権」を合理化しなければならない。
    彼らは,「アイヌ特権」の合理化として,「蔑視」「薄遇・冷遇」「苛虐・虐待」「迫害」の意味の「アイヌ差別」を訴える者になる。
    そしてこのとき,デマゴギーをやることになる。

    『旧土人保護法』に対しては,「旧土人」のことばに目をつける。
    これを差別語とし,つぎのストーリーをつくる:
      和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した

    彼らは,「和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した」をあちこちで唱える。
    このプロパガンダが功を奏し,ひとは「旧土人」を差別語だと思うようになる。


    読者はここで,つぎの二つの考え方をしっかり区別すること:
    1. 《『旧土人保護法』は,アイヌ系統者を特別扱いする「アイヌ差別」だ!》
    2. 《『旧土人保護法』は,アイヌを「旧土人」と呼んで差別する「アイヌ差別」だ!》

    ひとから「アイヌ」扱いされたくないアイヌ系統者は,aの意味で『旧土人保護法』を差別法とし,これの廃止を願う/求める者になる。
    ひとから「アイヌ」扱いされたいアイヌ系統者は,よりよい「アイヌ」扱いを望む者であるので,bの意味で『旧土人保護法』を差別法とし,これに換わる「新法」の実現を願う/求める者になる。
    和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した」のデマゴギーを用いるのは,bの方である。

    この二者は,対立する。
    実際,『旧土人保護法』をめぐり「廃止」か「新法」かで旭川アイヌ協議会とウタリ協会が対立したのは,これである。


    こうして,ウタリ協会は,「和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した」のデマゴギーをプロパガンダするものになる。
    ただし,『旧土人保護法』は,文字通り「保護法」である。 『旧土人保護法』を「悪法」にみせるプロパガンダは,図に乗るとしくじる。