Up | 「土人」の語は,実際どのように使われたか | 作成: 2017-02-01 更新: 2017-02-01 |
「和人はアイヌを旧土人と呼んで差別した」というわけである。 (このときの「差別」の意味は,「蔑視」「薄遇・冷遇」「苛虐・虐待」「迫害」等。) 「旧土人」の用語の経緯は,はっきりしている: それは,明治11年11月4日付本支庁宛の「第二十二号達」である:
この文言の中の「土人」「旧土人」に,「差別」の意味合いは無い。 「土人」は,いつ頃から差別語とされるようになったのか。 すくなくとも,1960年より前ではない。 それまでは,「土人」はふつうのことばである。 終戦直後時期,先鋭的"アイヌ" を引き寄せた『アイヌ新聞』にも, 「土人」の語はふつうに使われている:
実際,「土人」に対するひとの思いは,「思慕」である。 「思慕」する「土人」に出会えたときの感情は,「畏敬」である。 これらは,「差別」とは全く逆のものである。 「アイヌ」に対する思い・感情は,これである。 かつて,「アイヌ観光」ブームがあった。 「どの家にもクマの置物・壁飾り」という時代があった。 どこの世界に,自分が差別している者のグッズをよろこんで飾る者がいる。 「アイヌ」に対する感情が「好感」であったからこそ,グッズが飾られたのである。 |