Up 「アイヌ民族」の語の機能 作成: 2017-01-17
更新: 2017-01-17


    「アイヌ民族」は,アイヌ新法案作成のためにウタリ協会が開いた勉強会の中で,生まれた。
    グローバルな論題の「先住民問題」と絡めれば,「アイヌ特権」の大義がつきやすい,となったわけである。
    訴えも重くなり,箔がつく。

    「アイヌ利権」グループは,アイヌ新法が実現するよう,ウタリ協会を応援する。
    しかし,「アイヌ民族」のロジックを認めたわけではない。
    実際,「アイヌ民族」のロジックを鵜呑みにするのは,ものを知らない者かアタマの悪い者である。
    「アイヌ利権」グループは,馬鹿ではない。

    そこで,いざアイヌ新法が成るとなったら,「アイヌ利権」グループの政治パートは,法案の骨抜きに取り掛かる。
    この結果が,『アイヌ文化振興法』である。


    「アイヌ利権」は,獲得したら,つぎはこれの保持に努めねばならない。
    そしてこのステージを成り立たせるのも,「アイヌ民族」のロジックである。

    実際,「アイヌ文化振興法」というからには,アイヌ文化が「振興」を俟つように存在していなければならないが,そんなものは無い。
    「アイヌ文化が継承されている」を,<幻想>として立てるしかない。
    アイヌ文化の担い手として生身の者を出せば,「そんなこと実際はやってないでしょ」になってしまう。
    そこで<幻想>としての担い手に,「アイヌ民族」を用いる。


    ただし,<新法実現>が「アイヌ民族」の語を機能させる本来の場であることに,変わりはない。
    新法実現のつぎは,さらなる新法の実現である。
    なぜなら,「利権」はさらに大きくなることを求めるからである。
    こうして,「アイヌ民族」のロジックで「アイヌ特権」を理由づける作業が,再開される。

    「アイヌ協会理事長メッセージ」(2016)
     
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    「民族共生の象徴となる空間」の設置には広域連携等で一層の充実を図り、北海道が要望している第3次アイヌ生活向上推進方策の継続とともに次世代の子供の教育、経済などを支援する法律の整備も、諸外国の取組み同様、必須のことです。
     新たな法律制定については、アイヌ政策推進会議が開催された昨年10月1日も、総理官邸において国が主体となった総合的な政策の根拠となる法 律の制定のための要望書を高橋知事と並んで菅官房長官に手渡したところですし、本年3月28日にも鈴木宗男新党大地代表のご配慮により、菅義偉官房長官に 直接お会いし、改めて要望書を手交し、立法への検討に着手したいとの前向きな意向を伺ったところです。
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    「アイヌ協会理事長メッセージ」(2017)
     
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     昨年を振り返りますと、三月にアイヌ協会創立七十周年の節目の年を迎えることができましたし、また、アイヌ協会が長年にわたって求めてきた立法措置に向けて、皆様の思いに応えるべく駆け回った一年でもありました。
     三月二十八日、新党大地の鈴木代表のご案内で菅官房長官にお会いし、生活支援、教育や就労支援の充実、全国のアイヌを対象とした総合的なアイヌ政策を推 進していくための法律制定を要請しました。これが契機となり、五月に開催されたアイヌ政策推進会議の検討報告書に法的措置の検討が盛り込まれ、官房長官か らも法的措置の必要性についてもしっかりと検討していきたいとのご発言をいただきました。

     七月二十八日、官房長官の指示のもと、新たに内閣官房副長官、関係省庁の事務次官で構成されるアイヌ総合政策推進会議設置の報告がされ、現行施策の改善 方法を含め、若い世代や様々なアイヌの立場からどのような施策が必要か固定観念や先入観を取り払いアイヌに寄り添った先住民政策を再構築する方針が明示さ れました。
     道内の取組としては、七月、第二回定例道議会において「全国規模の総合的なアイヌ政策の根拠となる新たな法律」の早期制定の検討を求める意見書が議決さ れ、関係省庁に提出していただきました。十一月には、知事のよびかけにより「民族共生象徴空間交流促進官民応援ネットワーク」が設立され、北海道経済同友 会などの経済団体も加わり、民族共生象徴空間の整備に向けた官民一体の応援を始めていただきました。心から感謝申し上げたいと思います。
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