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菅江真澄 (1791), pp.541,542
ものくひはてて,いさ出たちなんほりに,宿料とてひと夜ねししろ(代)に,あるしのものへ,いろいろ糸に鍼をとりそへてとらすれば,メノコども黄,赤,白,黒の絲,針とて,ラヰクイロシカレといひ,ピルカとなかやかにいひもて,よろこべる色の見ゆ。
この宿を立いつればアヰノどもサランバサランバとシャモ詞にいへば,女子,善去とて手を揚れば,男手をすり手をあげ,髭を撫て別ぬ。
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‥‥ ラヰクイロシカレとは,これはこれは過分なりといふ意もしか聞へ,さやうなりというこゝろもあり。‥‥ )
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引用文献
- 菅江真澄 (1791) :『蝦夷迺天布利』
- 『菅江真澄集 第4』(秋田叢書), 秋田叢書刊行会, 1932, pp.493-586.
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