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菅江真澄 (1791), p.528
‥‥ 近き海へたに火のところところ見へたるは,いさりするにやととへは,翁のさしのそき,あれは森といふ村 [茅部郡森町] にシャモと栖家の入ま(混)しり居るアヰノの,蚤蚊の多かるをうれへて,夏はいつも濱にのみ出でふしあかす,それらかた(焚)きたつる蚊やりひ(火)なりといふ ‥‥
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昔は,人のまわりには蚤・蚊がすさまじくいた。
今そうでないのは,人間が自分の生活域を<動物のいない域>として拡げてきた結果である。
動物がいなくなれば,それに寄生して生きる蚤・蚊もいなくなるわけである。
(「清潔」とは,こういうことである。)
引用文献
- 菅江真澄 (1791) :『蝦夷迺天布利』
- 『菅江真澄集 第4』(秋田叢書), 秋田叢書刊行会, 1932, pp.493-586.
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