Up 蚤・蚊 作成: 2018-12-01
更新: 2018-12-01


      菅江真澄 (1791), p.528
    ‥‥ 近き海へたに火のところところ見へたるは,いさりするにやととへは,翁のさしのそき,あれは森といふ村 [茅部郡森町] にシャモと栖家の入ま(混)しり居るアヰノの,蚤蚊の多かるをうれへて,夏はいつも濱にのみ出でふしあかす,それらかた(焚)きたつる蚊やりひ(火)なりといふ ‥‥

    昔は,人のまわりには蚤・蚊がすさまじくいた。
    今そうでないのは,人間が自分の生活域を<動物のいない域>として拡げてきた結果である。
    動物がいなくなれば,それに寄生して生きる蚤・蚊もいなくなるわけである。
    (「清潔」とは,こういうことである。)