Up アイヌライフスタイル評 : 要旨 作成: 2019-02-06
更新: 2019-02-06


    学者の異文化記述は,異文化の内容が伝わらない。
    評価語を抑制するからである。
    文化相対主義を立場にしていることもあるが,今日だと評価語を即「差別・偏見」に結びつける風潮が,評価語の使用に対しひとをますます臆病にさせている。

    もっとも,アイヌのライフスタイルの論述に関しては,特段これで不自由になることはない。
    アイヌは過去の存在であり,自分の眼で見て記述するというものではないからである。
    アイヌのライフスタイルは,これをリアルタイムに書き記した文書を引くのみである。
    そしてそれらの記述は,評価語をあっけらかんに用いているので,アイヌのライフスタイルを活き活きと描けている。


    "アイヌ"イデオロギーは,これらの文書を「差別・偏見に凝り固まった者の言」とし,これを叩くことに躍起になってきた。
    しかし彼らは,《自分たちの政治的キャンペーンを損ねる》と見た表現を,「差別・偏見」と呼ぶのである。
    彼らの思考法のお里は,「社会主義リアリズム」である。

    「社会主義リアリズム」とは何であったか。
    「表現行為は社会主義国家の実現に貢献するものでなければならない」という思考法である。
    "アイヌ"イデオロギーだと,「表現行為はアイヌ解放の実現に貢献するものでなければならない」となる。


    いまの世代は,このような過去を知らないので,差別・偏見キャンペーンに簡単に騙されてしまう。
    そしてこの場合のいちばんの問題は,アイヌの事実の隠蔽・改竄である。

    アイヌは,その事実を以てリスペクトされる。
    "アイヌ"イデオロギーがやっていることは,アイヌの顔に泥を塗ることである。
    本論考が,"アイヌ"イデオロギーに努めて言及するのは,これが,彼らにアイヌの事実を隠蔽・改竄させない直接的な形になるからである。