Up 飲酒の様式 作成: 2018-11-29
更新: 2018-12-12


    村上島之允 (1800), p.39
     「 飲酒(イクチケンベ)の礼殊に嚴重なり。
    先、文席(アヤキナ) (ガマで編んだ花ゴザ) を敷、客相對して両人の中央に行器(ケマコルシントク) 酒を湛如し柄杓を添る (ドウキ)(タカイシヤラ)を置、飲箸(イクパシ)を盃上におきて、客数人にしたかひ酒器のまうけ如圖。
    先、主人盃盤をとり上、酒を酌せ客に一揖す。
    客、掌を摺合せ敬畢の聲を主客共に発す。
    次、飲箸を客に授て次に盃盤を授て、主人の左の手の甲をうやうやしく撫、一揖して酒盃盤をうけとり、彼飲箸にて酒盃の上をゆたかに左、右、左して、飲箸の先にて酒をすくひ、火神水神霊神にいたるまで供し終って一揖すれ、主人敬畢の声を発し、掌を摺合す。
    次に客、飲箸にて鼻の下の髭を揚、盃盤なから飲す。
    半のて一揖すれ、主人如前、礼をす。
    飲終れ又もれり。
    礼、凡て如前、二盃にして止りぬ。
    夫より客、酒を盛せて主人に授く。
    礼おなし。
    すへて酒柄杓にて汲入るを礼とす。
    銚子を用る事をせす。」


    同上, p.40
     「 タフカリ、一曰リムセ、一曰ヲポゞ。
    舞躍の事なり。
    遠近處々にして其流悉く大同小異あり。
    其状鳥の飜飛する形をうつし、舞と見ゆ。
    酒宴の時客に盃をすゝめ、即座に立て舞ふ事をなす。」



    同上, p.58
     「 古椀(フシコイタンキ)
    蝦夷持傳へて酒盃となす。
    古物を貴ひ新器を賤しとす。」



      菅江真澄 (1789), p.338,339


    イクパスイ
      菅江真澄 (1789), p.338,339

      菅江真澄 (1791)


    引用文献
    • 村上島之允 (1800) :『蝦夷島奇観』
      • 佐々木利和, 谷沢尚一 [注記,解説]『蝦夷島奇観』, 雄峰社, 1982
    • 菅江真澄 (1789) :『蝦夷喧辭辨 (えみしのさへき)』
    • 菅江真澄 (1791) :『蝦夷迺天布利』