Up 山菜 作成: 2019-02-08
更新: 2019-02-08


      串原正峯 (1793), pp.496
    飯糧に用る草左の如し。
    ドレツフ 和名姥百合
    キトウ 和名アイハカマ [ぎょうじゃにんにく]
    プイト゚マ [えぞのりゅうきんか]、
    アンラコル 和名松前にて黑百合
    ヘポロ [むく毛のある栗]、
    モシカルベ [つりがねにんじん]
    以上根を用ゆ。
    ハル 和名松前にてシヤクといふ [はなうど]
    ヲモシコ 和名マタゝビ
    キトウ
    以上莖を用ゆ。
    右の品おもに用ゆ、其外、
    ウライハウシ 和名防風
    ウベウ 和名當昻 [はぶきぼうふうの根]
    ウエムン 和名セリ
    マカヨ 和名欵冬(かんどう) [ふきのとう] の花
    シタマカヨ、
    キナシュ、
    コサヲラツフ、
    アワ、
    イツラップ、
    イマク、
    トウプクサ、
    ウラゝゝ、
    ノシキ、
    ナフムン、
    コルコニ・イマウル、
    ベネツケシ、
    クツナ、
    ハツ、
    へスツ イケマの事なり
    コサ・ケカシ 和名桔梗
    チクムツマサル、
    ホツイヅキマイナイ、
    ビットウキシヤクフン、
    マサルホッ、
    フン、
    キカマフレツ゚ 和名蛇イチゴ
    ウヱレニウレハフレフ 和名イチゴ
    イコタイ 和名イタドリ
    マサルホツフルカマナ、
    イカタム、
    イボソケレフ、
    ウエスミ、
    タンネアツトリ・フツポクシハル、
    イマキアネ、
    ポポ、
    アツケヘチ、
    ハラテツ、
    ヲロムクツ、
    ヘリロドニシユクト゚、
    ヲウコノイケ、
    シンクツ
    右の草何れも手入もせず、作ると云事なく、野山に自然と出来る草にて、都合五十三種、各々食する草なり。


    引用文献
    • 串原正峯 (1793) :『夷諺俗話』
      • 高倉新一郎編『日本庶民生活史料集成 第4巻 探検・紀行・地誌 北辺篇』, 三一書房, 1969. pp.485-520.