Up 採取植物の種類 作成: 2018-12-26
更新: 2018-12-26


      高倉新一郎 (1937), p.220
    元来アイヌは漁猟の民であって、その主食物は狩猟または漁撈による獲物、主として動物質の物であったが、植物性の食物もまたその食糧中のかなり重大な役割を占めていた。
    殊にそれは冬期の食糧においてであって、
      オホウパユリ (アイヌ名 ツレップ、学名 ‥‥)
      キトビル (アイヌ名 プクサ、学名 ‥‥)
      フクベラ (アイヌ名 プクサキナ、学名 ‥‥)
    などは有名なものである。
    ジョン、バチェラー氏ならびに宮部金吾博士の研究調査によれば、その中には、たとえば
      エゾユズリ (アイヌ名 リヤハムウシ、学名 ‥‥)
    もしくは
      コタニワタリ (アイヌ名 エフルペシキナ、学名 ‥‥)
    のように煙草代用品、
      ナギナタコウジュ (アイヌ名 セタエンド、学名FEE222gg君主主)
    のように茶の代用品、すなわち嗜好物として用いられるもの、
    もしくは地方を限り、ある限られた範囲に需要されるに止まるもの、
    または、例えば
      ヤドリキ (アイヌ名 ニハル、学名 ‥‥)
    のように飢饉の際に用いられるものなどをも含むが、
    そのアイヌの食用植物として挙げられた数は九十三種の多きに及んでいる。
    このほか吉田厳氏は「人類雑誌」第三十一号「アイヌの衣食住」において日高、胆振地方で調査した主なもの二十五種を挙げているし、
    村尾元長氏はその著「アイヌ風俗略志」に古い文献に現われたものを土台として、普通野菜を除いて約四十種を挙げている。
    これをもってその一斑を知ることができよう。
    しかもこれらはことごとく野草であって、アイヌは自然のものを採取して利用していたのであった。


    引用文献
    • 高倉新一郎 (1937) :「アイヌの農業」, 日本農業経済学会『農業経済研究』第9巻2号, 1937
      • 高倉新一郎『アイヌ研究』, 北海道大学生活協同組合, 1966, pp.219-249