Up 鹿猟 作成: 2018-12-21
更新: 2018-12-26


      高倉新一郎 (1974 ), pp.75,76
    アイヌの食糧として大事なのは鹿であった。
    鹿は北海道に数多く生息し、主として疎林の中に群をなし、冬になると、雪のすくなく比較的暖かい胆振・日高・十勝などに集まって越冬した。
    アイヌはこれらを仕掛け弓や毒矢で射てとったがまた大勢で、犬の助けをかり散在する鹿群を遠巻きにし、しだいに輪をせばめ、これを断崖から追い落とし、傷ついた鹿を叩き殺し、また移動する時、渡河点を選んで、川中で混乱するところを捕えたり、鹿の多い場所に木材で鹿の追い込み場をつくり、これに追い込んで捕えたりした。
    また掌大の三角形の木で作り振動で音を発する部分に子鹿または魚の皮などを張った鹿笛を吹きならし、夫を恋う鹿や親を求める子鹿の擬音を出して鹿を集めた。

      高倉新一郎 (1936), pp.170,171
    ‥‥ 美々地方は鹿の越冬場として有名で、冬になると西蝦夷地の鹿は石狩川を渡ってここに集まり、春になるとまた北に向って散って行くので、土人はこの川を越える鹿を待ち伏せてこれを獲た ‥‥



    引用文献
    • 高倉新一郎 (1974 ) : 『日本の民俗 1北海道』, 第一法規出版社, 1974
    • 高倉新一郎 (1936) :「アイヌの漁猟権について」,『社会経済史学』第6巻6・7号, 1936
      • 高倉新一郎『アイヌ研究』, 北海道大学生活協同組合, 1966, pp.163-217