Up ユカル (英雄伝) : 要旨 作成: 2018-12-25
更新: 2018-12-25


      高倉新一郎 (1974 ), p.259
    アイヌの口頭伝承として有名なのはユーカラである。
    ユーカラはまたサコロベ・ハウなどとも呼び、
    特に神の遺児として育てられた若者の数奇な運命を、その自叙の形で伝えた叙事詩である。
    我が国では古来、蝦夷浄瑠璃などと呼ばれ、主人公を源義経に結びつけて義経蝦夷地渡来伝説の一つの証拠とされた。
    最初は巫女の口を通じて語られる神話であり、所作を伴ったかも知れないが、後にはまったくの文学となり、ポイヤウンペ ( 小さな内地人) とかアイヌラックル (人間の香りのする人) とかいう若い英雄を主人公とする語り物として珍重された。



    引用文献
    • 高倉新一郎 (1974 ) : 『日本の民俗 1北海道』, 第一法規出版社, 1974