Up ハナリ (投げ銛) 作成: 2018-12-01
更新: 2018-12-12


      菅江真澄 (1791), p.514
    此コタンのアヰノの舟にこぎ送られて,‥‥
    阿袁といふ魚 [アオザメ (地方名アオ)?] の,あら波をしのぎあまたむれ行を,
    舳なるアヰノ,くはやとてしらすれば,
    (カンヂ)を捨てハナリをとり立ねらひ,ひとりにこぎまかせ,やといひてうちやれど,
    それ行てたゝさりければ,舟なかに足ぶみをしてウコラモコラといふは,あなくちをしと,いひはらだつこととなん。

      同上, p.560-564
    ‥‥ こゝらの黒魚(タンヌ)(いるか)、沖もせに群れ行が行あらそひ、波を離れて五六尺(いつさかむさか)斗も飛あがるを見て、ハナリ撃てんとアリンベ (一本銛) にギテヰ(銛頭)てふものをさし、アヰドスとて細き縄をギテヰに付て、(から)もひとつにとりもて、ぬかにこれをさしかざし、たちねらふにおぢて浪のそこにしづみかくろふを見て、あなねたしとて船追ふ。