Up 北海道史の改竄 作成: 2017-01-26
更新: 2017-01-26


    保護派"アイヌ" は,本質的に「観光アイヌ」である。
    アイヌは過去のもの」に対し「アイヌはいまのもの」を立て,「アイヌ」を演じることを生計 (の足し) にしようとする。

    しかし,「観光アイヌ」は既に無理である。
    「アイヌ観光」は,本物のアイヌがここにいるとひとに思わせることができて,成り立つ。
    そうでないことがひとにわかってしまうとき,「アイヌ観光」は「アイヌ」ショーとして集客するものになる。
    しかし,娯楽の乏しかった昔とは違い,いまの時代「アイヌ」ショーに集客力は見込めない。

    この先「アイヌ」を生業にする形は?
    ここで,「アイヌ特権」が出てくる。
    保護派"アイヌ" は,「アイヌ特権」を求める者になる。


    保護派"アイヌ" は,つぎの二つを「アイヌ特権」として立てる:
    1. 生活が保護される
    2. アイヌ文化継承が保護される


    生活の困難は,和人にもある。
    そこで,「アイヌの生活の困難は,和人の生活の困難とは意味が違う」の論を立てねばならない。
    こうしてつくられたのが,「アイヌモシリ」論──「年貢」論──である:
      萱野茂『アイヌの碑』(朝日文庫) , 朝日新聞社, 1980.
    pp.193, 194
    アイヌはアイヌ・モシリ、すなわち〈日本人〉が勝手に名づけた北海道を〈日本国〉へ売ったおぼえも、貸したおぼえもございません。 しかし今となって、北海道に住んでいる〈日本人〉を〈日本本土〉へ帰れと言っても、そう簡単に帰れるものでないことは承知しています。 そんな実現不可能なことをわたしは言いません。
     わたしは、今このアイヌ・モシリに住んでいるわたしたちも〈日本人〉も一緒になって、このアイヌ・モシリの自然を守りたい。 今まで何かと差別されてきた先住者のわたしたちアイヌの生活の向上のために、思い切った政策を実行して欲しい。
     家を不自由している人には家を建てて入れること。
    向学心に燃えても家庭の経済的事情で進学できない人には国費を出してやること。
    数の少ないアイヌだけでは国会議員、道会議員を選出することができないので、それを選出できる法律や条例をつくること。
    アイヌ語を復活させ、アイヌ文化の大切さを教えるため、希望する地域にはアイヌ語教育をする幼稚園、小・中学校、高校、大学を設置する。
    そして、これらに必要な経費は国や道が出す。
    元々の地主に今まで払わなかった年貢を払うつもりで出すこと‥‥‥


    文化継承は,和人もやっている。
    そこで,「アイヌの文化継承は,和人の文化継承とは意味が違う」の論を立てねばならない。
    こうしてつくられたのが,「エスノサイド」論である:
      野村義一 (アイヌ協会理事長)「国連総会記念演説」(1992-12-10 )  
    各国の政府代表部の皆さん、そして、兄弟姉妹である先住民族の代表の皆さんにアイヌ民族を代表して、心からご挨拶を申し上げます。
    ‥‥‥ 第二次世界大戦が終わると、日本は民主国家に生まれ変わりましたが、同化主義政策はそのまま継続され、ひどい差別や経済格差は依然として残っています。
    私たちアイヌ民族は、1988年以来、民族の尊厳と民族の権利を最低限保障する法律の制定を政府に求めていますが、私たちの権利を先住民族の権利と考えてこなかった日本では、極めて不幸なことに、私たちのこうした状況についてさえ政府は積極的に検討しようとしないのです。
    ‥‥‥
    日本のような同化主義の強い産業社会に暮らす先住民族として、アイヌ民族は、さまざまな民族根絶政策(エスノサイド)に対して、国連が先住民族の権利を保障する国際基準を早急に設定するよう要請いたします。
    また、先住民族の権利を考慮する伝統が弱いアジア地域の先住民族として、アイヌ民族は、国連が先住民族の権利状況を監視する国際機関を一日も早く確立し、その運営のために各国が積極的な財政措置を講じるよう要請いたします。


    「アイヌモシリ」論,「エスノサイド」論は,ともに虚偽である。
    保護派"アイヌ" は,北海道史をこの虚偽のものに変えていく者になる。

    いま,アイヌ,"アイヌ" に無知な者は,保護派"アイヌ" が唱える歴史を真に受ける。
    少なくとも,アイヌ系統者に共通の歴史観だと思う。
    保護派"アイヌ" は,つぎの二つをやってのけたわけである:
    • 自分たちが決めた歴史を,ひとに真に受けさせる
    • 自分たちを,アイヌ系統者の全体だと思わせる。

    ただしこれは,保護派"アイヌ" を利用してこれをやろうとした者のやったことである。
    その者は,だれか。
    それは,いわば<左翼な時勢>といったものである。

    1970年前後の新左翼ムーブメント,それと同時期の革新首長ブーム──これが無かったら,保護派"アイヌ" のいまの形は無かったのである。
    保護派"アイヌ" は変なものであるが,歴史は「歴史のいたずら」として,変なものを主流にしてしまうものなのである。


    <左翼>は,「目的のためには手段を選ばす」がスタンスになる。
    「アイヌ特権」実現に勝利するためには,プロパガンダするところの「アイヌモシリ」「エスノサイド」を,内容が強烈なものにしなければならない。
    <左翼>のプロパガンダは,《聴く者に義憤をもよおさせる》である。
    そこで,《「悪が善を虐げる」のストーリーで,残酷シーンを繰り広げる》が,<左翼>の手法になる。

    「悪が善を虐げる」ストーリーは,無理矢理のものになるが,これは「目的のためには手段を選ばす」で合理化される。
    また,無知な者相手のプロパガンダは,「悪が善を虐げる」ストーリーがいちばんであることを,<左翼な者>はよく知っている。


    この歴史改竄の功労者は,政治家では,横路孝弘を挙げることになる。

    近現代では,ジャーナリストが,歴史改竄で主要な役割を務める。
    「朝日新聞」がよくやり玉に挙げられるが,保護派"アイヌ" の歴史改竄の場合だと,朝日新聞の本多勝一や北海道新聞の山川力を,功労者に挙げることになる。

    歴史の改竄には,いつも「御用学者」や「アタマの悪い学者」がいる。
    保護派"アイヌ" の歴史改竄の場合では,「御用学者」というほどの者はいなくて,みな「アタマの悪い学者」である。

      「学者」は,「アタマの悪い学者」である。
      なぜなら,「学者」は,「アタマの悪い学生」からスタートし,経験を積んで成長するものだからである。
      「アタマが悪い」は,悪口ではなく,事実である。


    保護派"アイヌ" は変なものであるが,学術の分野でも,<左翼な時勢>で生じた変なものが以後主流になり,変なことがわかっても惰性から抜け出せないということがある。