Up 2010年発覚アイヌ事業費不適切会計処理問題とは 作成: 2017-12-26
更新: 2017-12-26


      2010年2月18日 北海道新聞
    不適切会計処理 アイヌ協などに711万円請求
    道方針 釧路支部は助成除外
     道費を支出したアイヌ民族の文化伝承事業などで不適切な会計処理があったとされる問題で、道は18日、助成先の北海道アイヌ協会とアイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)に、総額711万円の変換を求める方針を固めた。 道は改善策が取られるまでの間、助成を停止する方針で、特に悪質性が高いと判断した同協会釧路支部については、助成対象から除外するよう同機構に求める。
     道議会から不適切処理の疑いが指摘されたことを受け、道は昨年秋以降、アイヌ協会釧路支部などが行った事業を調査していた。
    その結果、2004年度以降に釧路支部が執行にかかわった48事業のうち38事業で 
      1、伝統舞踊などの行事に参加していない人に、謝金を支払っていた 
      2、物品購入などの領収書に事実と異なる金額を記載した
    ーなどの不適切な会計処理あったことが判明した。
    また、釧路支部では08年度に実施したと報告されていたアイヌ語や刺繍などの講座は「すべて実施されていない可能性が極めて高い」とし、さらに委託料がすべて目的外に使用されていた可能性も高いという。
     釧路支部以外でも、帯広支部と旭川支部で、不適切な処理があったとして、返還を求める。

      2010-02-23 毎日新聞 2010年2月23日 北海道版 http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100223ddlk01040216000c.html
    道アイヌ協会:不適切会計処理
    道・道教委、711万円を返還請求へ
     ◇財団と協会に  道から補助金が支出されたアイヌ民族の文化財保存・伝承活動事業で不適切な会計処理があった問題で、道と道教委は、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構と北海道アイヌ協会に計約711万円の返還を求めることを決め、22日の道議会環境生活・文教の両委員会に報告した。道と道教委は今後、同機構と同協会に厳重注意するとともに、改善策の策定を求める。
     道と道教委は昨年11月、同協会釧路支部で不適切な会計処理が道議会で指摘されたのを受け、書類が保存されている04〜08年度の事業を対象に調査。その結果、道が同機構に助成した事業のうち、七つの支部・団体が実施した48事業中38事業に、行事に参加していない人の架空領収書など、約469万円の不適切な支出があった。道アイヌ協会釧路支部が126万円だが、網走、美幌、厚岸の3支部の285万円も事務処理を代行する釧路支部に振り込まれていた。道教委分の不適切支出は釧路支部など3支部の約242万円。釧路支部が212万円で最も多く、釧路支部は適正に事業を行ったとしているが、実施した形跡がなく、旅費などに充てていた疑いがある。
     道アイヌ協会の加藤忠理事長は「大きな責任を感じている。返還金請求に速やかに対応し、抜本的な再発防止策を検討したい」とのコメントを出した。事業委託費の監査方法や支部の運営体制の見直しを図る検討委員会を外部のメンバーも含めて発足させる方針。
     また、道や道教委が求めている釧路支部の体制刷新が焦点になる。同協会は秋辺得平支部長の辞職勧告を決め、役員の一新を模索している。しかし、秋辺支部長は辞職勧告に応じておらず、支部運営の立て直しが課題となっている。
     一方、同財団事務局は「道に指摘されるまで不適切な会計と気付かなかった。指摘を重く受け止め、指導に従って早急に改善を図りたい」とコメントした。


    ここに報道されたのは,「詐欺行為」であり「不正」である。
    しかし,「詐欺行為」「不正」として取り上げると,実情とは違ってくることになる。

    この時のアイヌ協会/アイヌ文化振興研究推進機構は,「アイヌ文化財保存・伝承活動事業費」とはこのように使われるものだと認識しているわけである。
    実際,この経費は,もともと「みなさんどうぞご自分のことでお使い下さい」の趣旨でつくられたものである。
    「思いやり予算」というのがあるが,それみたいなもんである。
    アイヌ協会にしてみれば騙し討ちに会ったようなものであり,この場合はむしろ同情してやってよいくらいである。

       いまは「コンプライアンス」がやかましく言われる時代であるが,しかしこれは 2000年代に入ってからのことに過ぎない。
    コンプライアンスがやかましく言われるようになったとは,それ以前は「コンプライアンス」に反することがふつうだった,ということである。
    「アイヌ協会にしてみれば騙し討ちに遭ったようなもの」と述べたのは,摘発が「コンプライアンスの遡及適用」の趣きになるからである。(Cf.「法令不遡及の原則」)


    伝統舞踊などの行事に参加していない人に、謝金」「アイヌ語や刺繍などの講座はすべて実施されていない」の文言があるが,そもそも「伝承活動」が厳格に適用されたら,これをやれる者などいないのである。
    実際,どうしてやれようか。

    要は,アイヌをなめんなよ,ということである。
    アイヌとは,アイヌ文化を生きた者のことである。
    その文化の要素は,漁撈狩猟採集生活・アイヌ語・無文字・アニミズムである。
    いまの時代にこの文化を継承している者などいない。


    「伝承活動事業」とは,お互いが騙されているふりをするゲームのことである。
    「おもいやりゲーム」というわけである。

    "アイヌ" は,この「おもいやりゲーム」の中に生きる者たちである。
    このゲームは,求められたからこそ存在してきた。
    そして今日このゲームを必要としているものが,「北海道観光」であり,この名のもとの「アイヌ利権」というわけである。