Up 外国人富裕層をターゲットに 作成: 2020-01-24
更新: 2020-01-24


      読売新聞 北海道版, 2020-01-24
    体験型観光 道内でサミット
    アジア初
    来年9月 欧米客増へ適地PR
     欧米で人気の体験型観光「アドベンチャートラベル (AT)」の国際サミットが 2021年9月、北海道で開催されることが決まった。 アジアでの開催は初めて。
    道は国際サミット開催が、ATの適地として道内観光を世界に発信する好機になるとみており、欧米客の増加につなげたい考えだ。
     ATは、自然との触れあいが主眼の従来の自然体験型ツアーと違って、登山、カヌー、釣りなどや、茶華道、アイヌ、縄文といった異文化体験を組み合わせている。
    長期滞在が主流で、1人当たりの消費額が大きいのが特徴だ。
    市場規模は年72兆円とされ、欧米では富裕層が利用するツアーの中心的存在となりつつある。
     国際サミットは、各国の観光局や観光協会、旅行会社など約加団体で作る「アドベンチャー-トラベル・トレード・アソシエーション」(ATTA、本部・米国)が毎年秋に開いており、来年は9月に4日間、札幌などに関係者約800人を招いて開催される。
     期間中、札幌でセミナーや商談会が開かれるほか、参加者がスキーリゾートのニセコ地区や世界自然遺産の知床半島、白老町の民族共生象徴空間 (ウポポイ) など道内の観光名所を巡るプログラムもあり、道内観光の新たな魅力発信に直結する効果が期待される。


    外国人富裕層をターゲットに」は,ここしばらくよく聞かれるフレーズである。
    生業に窮する者は,「鴨が葱を背負ってやってくる」タイプの金儲けを想う。
    そんな金儲けをやっているところがあるのを見ると,それを真似たくなる。

    いまの日本,そして北海道は,これである。
    外国人富裕層観光客が続々やって来ることを,夢みる。
    そして,こうなる形としてIRを思ったり,こうなる方法としてAT国際サミット開催に幻想を抱いたりする。


    なぜ「外国人富裕層をターゲットに」か?
    国民・道民頼みは,既に成り立たないからである。

    「アイヌ, 縄文」「異文化体験」──こんなフレーズは,国民・道民には入っていかない。
    そんなものは無いこと,即ちショーであることを,知っているないし直感するからである。

      「ウポポイ来場者年間百万人」の達成を負う北海道は,PRと併せて<動員>──学校,協賛企業等──でも必死にならねばならない。


    しかし,「外国人富裕層をターゲットに」は,(なり)振り構わぬ<最期のあがき>の(てい)である。
    外国人富裕層をターゲットに」することは,国民・道民から遊離することだからである。
    即ち,そのようなサイトは,国民・道民が「リーズナブルでない」「自分には分不相応」として敬遠するところとなるわけである。