Up 「アイヌ政策推進交付金」 作成: 2020-01-01
更新: 2020-01-02


    「アイヌ新法」(『アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律』, 2019/05/24) の立法を以て,これを根拠法とする「アイヌ政策推進交付金」が成ることになった:
      「アイヌ政策推進交付金」
      府省庁  内閣府
      事業番号 新31-0005
      担当部局 アイヌ施策推進室
      事業期間 2019年〜終了予定なし
      会計区分 一般会計
      実施方法 交付
      事業概要 アイヌ施策を推進するための計画を作成し内閣総理大臣の認定を受けた市町村に,計画実施費用分を交付


    そして初年度の運用が,つぎのようになった:
      「令和元年度 交付決定一覧」
      https://www8.cao.go.jp/ainu/kouhyou/jigyou_keikaku/reiwa1/reiwa1.html
      国庫補助金 市町村負担額
      北海道 札幌市 99,055,200 24,763,800 123,819,000
      千歳市 46,236,000 11,560,000 57,796,000
      むかわ町 16,975,000 4,244,000 21,219,000
      平取町 116,890,400 29,222,600 146,113,000
      新ひだか町 55,343,000 13,837,000 69,180,000
      長万部町 27,590,000 6,898,000 34,488,000
      豊浦町 26,285,000 6,572,000 32,857,000
      洞爺湖町 20,000,000 5,070,000 25,070,000
      登別市 41,028,040 10,257,010 64,746,300
      白老町 75,405,000 18,852,000 94,257,000
      白糠町 39,159,000 9,790,000 48,949,000
      釧路市 131,611,000 32,903,000 164,514,000
      標津町 37,620,800 9,405,200 47,026,000
      三重県 松阪市 3,087,000 773,420 3,860,420
      計  736,284,000


    市町村が提出の事業計画は,「中期計画・中期目標」フォーマットをとるので,5年間に亘るのがふつうである。

    各自治体は「市町村負担額」分を,地方交付税交付金や借入金 (地方債) で充てることになる。
    また,箱物をつくった場合は,これの管理維持費を以後ずっと背負い込むことになる。
    自分の身の丈の計算を誤ると「石炭産業終焉で観光に活路を求めた夕張市の財政破綻」のような憂き目を見ることになる。

    国は「観光立国」を政策にして「アイヌ政策」をこれに組み込んでいるが,「観光」は自治体にとって麻薬である。
    観光客を得ることは<パイの奪い合い>であり,得られても一時のことである。 しかし,一旦始めたことは続けるしかないとなり,破滅の螺旋に嵌まっていくのである。
    「観光立国」を真に受けてこれに乗っかろうとする自治体は,財政危機・破綻が定めである。

    北海道は,観光廃墟がいたるところにある。
    まさに「他人事とする勿れ」である。