Up 「アイヌ料理」: 要旨 作成: 2019-01-28
更新: 2019-02-07


    観光客は,料理を目当ての一つにしている。
    事業者は,料理を重要な戦略に位置づける。

    「アイヌ観光」も,こうなる。
    事業者は,「おいしいアイヌ料理」を開発する。


    「おいしい」を実現するものは,具材と味付けである。
    今日,具材は店に豊富に並んでいる。
    いろいろな具材が手に入り,そして流通や栽培法の進歩で,遠方のもの,時期外れのものも手に入る。
    味付けは,塩・醤油をはじめとして,各種調味料で行う。
    これも,店に豊富に並んでいる。

    現代人は,食材が豊富にあり,そして調味料があることを,当たり前だと思っている。
    現代人にとっての「おいしく食べる」を,当たり前のことだと思っている。
    そこで,現代の環境でおいしくつくられて提供される「アイヌ料理」を,そのままアイヌ料理だと信じる。


    アイヌ料理はおいしくない。
    「おいしいアイヌ料理」は,アイヌ料理の別モノ化である。

    ひとが「おいしいアイヌ料理」に疑問を持たないのは,アイヌの生活に思いが至らないためである。 併せて,自分のいまの生活様式を相対化できないためである。

     註: 自然食がおいしいというのは,ウソである。
    おししい野菜・果物は,人間が改良したものである。
    刺身も,醤油・わさびなしにそのまま食べたらおいしいか。

    「アイヌ料理」のインチキは,「それがインチキなことは,ちょっと考えればわかりそうなものだ」とはならない。
    「考える」は,必要な知識があって成るものだからである。