Up 場所暦 作成: 2018-12-24
更新: 2018-12-24


      高倉新一郎 (1974 ), pp.254-257
    ‥‥場所年中行事として慶応三年(1867) 高島場所 (現小樽市高島) の例をあげておく。‥‥
    正月 用材伐採のための山上り
    二日 蔵開き 乗り初め
    三日 船魂祝い
    五日 役土人年賀 小豆餅食次第 酒飲み次第 みやげに切り餅五こ宛
    七日 御用始め 蝦夷人に法度読み聞かせ
    九日 蝦夷船出し 餅・濁酒振る舞い
    二十日 このころより交代番人来る
    二十七日 このころ番船下り澗祝 この頃よりにしん場雪切りや漁仕たく始まる。
    二月四日 初午 祭礼 赤飯を焚く
    十五日 漁事前祝い 初にしん
    十七日 このころ支配人着任
    三月三日 上巳 菱餅を配る
    八日 このころ納屋改め
    四月なかごろ 身欠きヌキ 身欠き結
    二十四日 オムシヤ 役土人に手当米 惣土人へ酒・手拭・キセルなどを給与
    五月五日 端午節供 ちまきをつくる
    六月二日 このころにしん製品積み出し にしん漁業仕舞い
    十四日 土地の弁天社・稲荷社祭礼 素麺をゆでる このころより交通頻繁となる
    七月七日 中元 あられ法界
    十三日 墓掃除 赤飯・煮しめをつくり,夕方ホカイ (法界) をする
    十五日 盂蘭盆(うらぼん)会 だんごをつくる
    十六日 休日
    八月十七日 このころ支配人引き揚げ
    二十四日 にしん初漁 オムシヤ執行 役所より惣土人へ酒・煙草、女に縫針五本宛、男にマキリ(小刀) 一枚ずつ 運上屋より役土人へ酒・たばこ、惣土人へ飯と酒を振る舞う 酒と鮭で泊まり祝い
    二十八日 鮭網御祝い 惣土人へ酒、番人へは番船祝いとして休暇を与え酒宴を開く
    十月三日 漬物仕舞い
    十五日 土人へ秋味手当て
    二十二日 鮭網切り上げ 鮭配分
    二十六日 鮭網切り祝い 三日間休み
    十一月五日 薪割り仕舞い 土人へ手当て
    十五日 人別書提出
    十二月二日 寒中見舞い
    十四日 手縄ない
    十八日 ザシキかた付け
    二十日 御用納め
    二十一日 このころよりたら釣り始まる
    二十二日 歳暮
    二十六日 年玉配り 餅掲き
    二十九日 節分 豆まき 酒宴
    晦日 しめ縄かけ 年取り


    引用文献
    • 高倉新一郎 (1974 ) : 『日本の民俗 1北海道』, 第一法規出版社, 1974