Up 馴れ合い 作成: 2016-12-08
更新: 2016-12-08


    「アイヌ利権」のことばの使用は,穏やかなものではない。
    このことばを使うときは,自ずと「程度問題」を考えることになる。

    特に,"アイヌ"予算を「アイヌ利権」とイコールにするのは,危うい。
    実際,"アイヌ"予算が "アイヌ"登録者に広く (したがって,薄く) 分配されている場合,「アイヌ利権」は容赦のない狭量な物言いの趣きになる。


    一般に,利権は,極相に向かって遷移する。
    この過程で,「利権」と呼ぶ他ない相が,自ずと現れてくる。
    それは,<民>をおもてに出して,うらで一部の者が得を分け合うことを始める,というものである。

    実際,組織は,組織員全体が活動しているわけではない。
    活動しているのは,執行部である。
    この執行部の回りに,執行部が声をかける者たちがいる。
    執行部とこの者たちで,ファミリーが形成されている。

    予算は,民を対象にしているふうに立てられる。
    しかしこれを執行するのは,ファミリーである。
    「利権」のことばは,このファミリーに向けて使うときは,びったりのものになる。


    ただし,「ファミリーが予算執行を独占」は,ファミリー利権のゴール形ではない。
    「利権」には,まだ先がある。
    「利権」は,まだしばし成長を続ける。
    実際,ファミリー利権のゴール形は,ファミリーの者が職と地位において安定することである。

    「アイヌ利権」の場合だと,これはどういう筋書きになるか。
    「アイヌ関連施設・機関の員を,ファミリーの者が占める」である。
    いまアイヌ政策はアイヌ協会に丸投げ状態であるので,この筋書きは現実味がある。

    実際,筋書きは,ロジックにおいて,一意決定 (uniquely determined) である:
    1. 幹部が,当該施設・機関に天下る。
      人事に加わり,ファミリー員を採用する。
    2. ただし,採用しやすいように,箔をつける必要がある。
      その箔は,「アイヌ文化継承者」がよい。
      "アイヌ" ならではのものになるからである。
      そこで,「アイヌ文化継承者養成コース」のようなものをつくって,ファミリー員をこれに入らせるようにする。
    3. こうして,ファミリー員を当該施設・機関の中で増やしていく。
    4. ある程度増えると,人事を握れるようになる。
    5. そして遂に,ファミリーによる当該施設・機関の乗っ取りが成る。