Up プリミティブな利権の構造 作成: 2016-11-02
更新: 2016-11-02


    国が,一つの家に金を供与することを,決める。
    さらに家の員全員に手当することを,決める。
    員の名簿提出は,その一家に任せる。

    この構造は,必然的に「利権」問題を生む。

    例えば,これが「後進国」の話なら,つぎの賄賂の話になる:
    • 員になりたい者が,員に入れてもらうために,家のドンに賄賂を渡す
    • 家のドンが,供与の維持・増額のために,政治家に賄賂を渡す


    賄賂ほど効率のよいものはない。
    100万円の賄賂で1億の金が得られるといった具合である。

    ひとはふつう,賄賂を悪いもののように思う。
    しかし賄賂を悪いと言うなら,賄賂は必要悪である。
    賄賂無くして世の中は回らない。
    確認しておくが,「賄賂」は,構造・機能的概念である。
    ひとは「贈り物」をふつうにするが,これは構造・機能的に「賄賂」である。

    政治家への賄賂というと,金を思いがちだが,選挙での票こそがいちばんの賄賂である。
    票を取りまとめ,当選させ,見返りを受ける。
    これはふつうのことである。


    賄賂の見返りは,利権である。
    利権は,ふつうのことである。
    一方,利権は,利権の外にある者から妬まれるものになる。
    そして賄賂・利権が「国の金 (税金) の配分」の次元になると,嫉みは<正義>を纏うものになる。

    この位相において,賄賂・利権は,何かの拍子に<悪>にされるものになる。
    賄賂・利権を用いる者は,綱渡りでこれをやる(てい)になる。
    しかも,賄賂・利権には,《これに一旦嵌まると抜けられない》のダイナミクスがある。


    コンプライアンスの時代には,利権はコンプライアンスに引っかかりそうな危ない要素を外しに掛かる。
    「アイヌ利権」だと,個人では大物 "アイヌ",団体だとアイヌ協会が,段々と外されていくものになる。

      団体が危ういは,どうしても「身贔屓(みびいき)」の場になるからである。
      交付金を幹部/同族に配分,幹部天下り, 「アイヌ文化継承者」の身内雇用, 「アイヌ」関係施設・機関の<同族職場>化,等々が考えられてくる。