Up 「アイヌ民族」派独占構造 作成: 2017-03-08
更新: 2017-03-08


    民族派"アイヌ" は,「アイヌは過去のもの」を言っている言論に対し,これを潰す運動を展開する。
    民族派"アイヌ" は,論者の著書の出版元や論者の雇用主に攻撃をかける。
    企業は,勢いに従うのみだからである。──企業は,商いである。

    時勢に抗うのは本来学者の務めであるが,だいぶ以前からこれは無理になっている。
    「学問の自主自立」を国が保証していた時代もあったが,「独立採算」が「学問の自主自立」の今日の意味である。
    アイヌ学者は,こうして時勢迎合的な者か,そうでなければはじめから民族派であった者しか,存在しなくなる。

      このあたりは,商品経済 (「和人」) によってアイヌが滅んだのと,同じである。 ──学者の滅亡は,アイヌの滅亡と同型である。


    「時勢に抗う」といったが,これは意志・構えではない。
    「自ずとこうなる」というものである。
    「自ずとこうなる」のは,やっていることが科学だからである。
    科学は,時勢と無縁である。
    よって,科学はしばしば「時勢に抗う」格好になる。

      教会の天道説に対する,科学の地道説。
      協会の「アイヌ民族」に対する,科学の「アイヌは民族ではない」

    アイヌ学のいまは,時勢に従うアイヌ学であり,本論考は「」をつけて「アイヌ学」と表現してきた。
    「アイヌ学」は,科学を捨てた(てい)である。

    「アイヌ学者」とは,この「アイヌ学」にすなおに入っていける者のことである。
    それは,学者の葛藤と無縁な者ということになる。
    学者の葛藤と無縁な者──それは,商いと科学,イデオロギーと科学の区別のつかない者である。