Up 沿革──『旧土人保護法』 作成: 2016-12-09
更新: 2017-03-25


    幕末,そして明治の時代になって,アイヌの生活 (漁猟採集生活) はつぎの二つの制約により成り立たなくなった:
     ・外的制約: 和人の入植
     ・内的制約: 《保護区住民として生かされる》が可能であったとして,それはアイヌにとっていいことか?

    明治政府は,このアイヌをどうしたものかと考える。
    そして,アイヌ対策を,「アイヌを農業で自立させる」にする。

    「アイヌを農業で自立させる」を進めるには,法が要る。
    こうしてできたのが,『北海道旧土人保護法』(1899) である。
    『北海道旧土人保護法』の意味は,つぎのものである:
      「アイヌを農業で自立させるための法」
    そしてつぎが,これの内容である:
      アイヌに給付地 (将来的私有地) を定める


    「アイヌを農業で自立させる」は,うまくいかない。
    アイヌにとって,土地運用は,勝手のわからぬものである。
    そこで,土地を和人入植者に賃貸する。
    そしてこれが,土地をとられてしまう結果になる。
    中には,成功したアイヌもいるが,それは少数派ということになる。
    実際,成功したアイヌは,早くから和人と交わり,啓蒙」されたアイヌである。


    『旧土人保護法』のつぎのステージは,戦後体制構築期になる。
    しかもそれは,『農革法』による『旧土人保護法』の実質的無効化というものであった。
    そしてこの格好のまま,つぎのステージまで存続していくことになる。
    ──つぎのステージは,1970年にやってくる。