Up | 「アイヌ代表」を自任 | 作成: 2016-12-21 更新: 2016-12-21 |
アイヌ協会理事長が,国連に行って「アイヌ民族を代表して」を言う。 「アイヌ民族の代表」を自任しているわけである。 ○○を研究分野とするある学会の会長が,「○○学者を代表して」と演説したら,「誰に断っておまえは代表なんだ!」になる。 ○○学者で,その学会に属していない者がいるからである。 一方,アイヌ協会だと,「誰に断っておまえは代表なんだ!」にはならない。 アイヌ系統者はアイヌ協会員にならない者の方が多数派なのにである。 なにが違うのか? 違うのは,「代表」の概念である。 学会とアイヌ協会では,「代表」の概念が違うのである。 実際,アイヌ協会の「代表」の概念は,左翼イデオロギー譲りである。 左翼イデオロギーの者は,「人民の代表」を自任する。 少人数の集まりでも,「人民の代表」である。 どうしてこんな思いが持てるのか? 前衛主義に立つからである。 前衛主義は,民主主義がこれの対立概念になる。 学会の「代表」の概念は,民主主義の「代表」の概念である。 一方,アイヌ協会の「代表」の概念は,前衛主義の「代表」の概念である。 前衛主義と民主主義は,「皆」の意味づけの仕方が違う。 民主主義では,皆は,<代表を選ぶ者>である。 代表に選ばれた者が,代表行為をやれる。 前衛主義では,皆は,<自分が導かねばならない者>である。 自分は,いつでも代表行為をやれる。 アイヌ協会執行部に入るとは,前衛主義に即くということである。 アイヌ協会とは,そういうところである。 アイヌ協会執行部の思考回路は,左翼イデオロギーの前衛主義である。 この前衛主義が,国連に出て「アイヌ民族を代表して」を言うことをさせる。 「アイヌ遺骨返還」もこの類である。 これを運動する者たちは,「祖先・同胞の代表」を自任する。 民主主義だと「祖先・同胞がいつおまえを代表にしたんだ!」になる類であるが,思考回路が前衛主義だから,いつでも好きなときに「祖先・同胞の代表」になれるわけである。 そして,訴えられる方も,根っこが前衛主義なので,彼らをすんなり代表として認めてしまう。 政治"アイヌ" の思考回路は,前衛主義 (「アイヌを代表して」) である。 彼らが「アイヌを代表して」を言っても構わないと思っているのは,自分のように行動しないアイヌ系統者を<意識が低い者>と定めているからである。 《<意識が低い者>は,意識が高くなれば自分のようになる。 よって自分は,彼らの成長の先回りをして「アイヌを代表して」を言える。》 こういう思考回路である。 彼らはなぜ,自分のように行動しないアイヌ系統者を<意識が低い者>と定めることができるのか。 本当の意味の教養がないからである。 科学的な思考とは無縁の者だからである。 彼らはなぜ,教養,科学的思考をもたないのか。 教養,科学的思考をもつ契機を,自ら閉ざしたからである。 <井の中の蛙仲間同士>に嵌まってしまったのである。 |