Up 適応・不適応 : 要旨 作成: 2016-06-04
更新: 2017-03-26


    生態系の遷移は,個の次元では「適応」である。
    生態系は,《自己参照 (self-referential) を以て,均衡状態をその都度実現/更新》を自動運動する。
    これの個の次元が,「適応」である。

    個の次元の適応は,種の浮沈を現象する。
    生態系の遷移は,種の次元では,優劣関係の変化である。
    そしてこの中で,絶滅する種もある。


    蝦夷地統治が<対露列強-国防>の時局に入っていく中で,アイヌは同化を仕向けられるものになる。
    アイヌは,大きな流れとしては,同化に適応していく。
    その中には,大小様々の不適応,そしてまた決定的不適応があるわけだが,世代交代も合わさって,アイヌは最終的に同化する。
    ──ここに,アイヌは終焉する。

    適応は,<強いられる>と<択る>の二つのベクトルの(あや)である。
    アイヌは,同化を強いられ,かつ同化を択る。
    そしてそこに,「個の多様性」を現わす。

    「適応」は,「是非」のはなしではない。
    「是非もなし」のはなしである。
    「適応」は,「現成」("No more than this") である。