Up 先祖溯行の構造 作成: 2017-03-28
更新: 2017-03-28


    族の「系統」のイメージ図は,族の「先祖・子孫」網羅の絵図である。
    さて,この絵図はどんなものになるか?

    手始めに,自分の「先祖」の絵図を考えてみる。

    ヒトの個体は,雄の個体と雌の個体の生殖で生ずる。
    このとき,雄の個体を「父」と呼び,雌の個体を「母」と呼ぶ。
    自分の「先祖」の絵図を,<父・母>の溯行図として考えてみる。
    この絵図は,つぎのようになる:
    ここで,横一列に書いた世代の階層は,同時期を意味しない。
    個体を時間軸で配置したら,同一世代階層の横並びは上下デコボコになる。

    世代−n では,2n の個体が並ぶ。
    例えば,100世代溯った世代−100 では,2100 の個体が並ぶ。
    100 は,0が約30個ならぶ桁数の数である:
      log102100 = ( log102 ) × 100 ≒ 0.3 × 100 = 30
    これはどのくらいの数かというと,1円玉 (厚さ1.5mm) を積み重ねて月まで届く枚数でも,0を12ならべた桁数の数より小さい。 太陽までにしても,桁数の0は2つしか増えない。 ともかく,想像できない大きさの数である。
    したがって,<父・母>溯行図に出てくる個体は,重複しているわけである。
    そしてその重複は,想像できない大きさの数の縮約になる重複であるから,想像できない複雑なものということになる。

    こういうわけで,「<父・母>溯行図」は,ただのことばである──図的に想像できない。
    では「溯行図」は,どんなルールによるものが図的に想像可能となるか。
    ここで,「父系図・母系図」の出番となる。
    父系図は,自分 - 父 - 父の父 - 父の父の父 - ‥‥‥ と溯行するものである。
    母系図は,自分 - 母 - 母の母 - 母の母の母 - ‥‥‥ と溯行するものである。
    これは,ともに一本の線になるから,図的に想像可能である。

    いま地球上にいるヒトの個体すべてに,番号をふったとしよう:
      個体1, 個体2, 個体3, ‥‥‥, 個体N
    個体kは,父系図k と母系図k をもつ。
    さて,
      父系図1, 父系図2, 父系図3, ‥‥‥, 父系図N
      母系図1, 母系図2, 父系図3, ‥‥‥, 母系図N
    はすべて,同じ1個の個体 (共通祖先) に溯る。
    実際,これが「種」の意味だからである。
    いま地球上にいるヒトの個体すべての<父・母>溯行図は,一見,上方拡散の模様に見えるが,実は同じ1個の共通祖先に行き着くわけである。