Up 「アイヌの系統」の意味 作成: 2019-02-13
更新: 2019-02-13


    つぎは,ヒト属の進化系統図である:

    この図には,いろいろな含蓄がある。
    ヒト属がアフリカ起源であるとか,ヒト属の現存種はホモサピエンス種のみであるとか,ホモサピエンス種もアフリカ起源であるとか。

    「ホモサピエンス種」の括りでも,進化系統図を現すことになる。
    この場合の系統分化は,家系の分化である。
    そしてこの進化系統図は,ヒト属の進化系統図と似たものになる。
    何故なら,分化のダイナミクスは似たようなものだからである。


    「アイヌの系統」を考えるとき,進化系統図の特徴として見るべきは,「系統の断絶」と「一系統からの生き残り」である。
    実際,「アイヌの系統」は,このように考えることになる。

    "アイヌ" イデオロギーは,「アイヌ」を「北海道先住民」として立てる。
    いま,時間軸を「万年」単位のものに替え,上の図の「Europe, Africa, Asia, Aemerikas」を,いろいろな順序で 北海道,本州,等々に置き換えてみる。
    さて,その図に「北海道先住民」を見ることができるか。


    「血筋」をたどる意味の「アイヌの系統」の概念も,立たない。
    先祖溯行を<父と母>の両方で溯り,その子孫をすべて網羅する図は,三代か四代溯れば,もう不可能になる。
この図に,各 から始まる子孫系統の図 (これは上拡がり) が書き加わる
    ひとは「系統」の意味を思考停止して,わかったつもりになっているのである。
    即ち,父溯行,母溯行はそれぞれ一本の線になるが,ひとはこの絵で「系統」をわかったつもりになっている。