Up 「アイヌ」が利己目的に使われている 作成: 2019-02-17
更新: 2019-02-17


    アイヌは,過去の存在である。
    しかし,「アイヌ」を現存するものにして,利己目的に使う者が現れる。
    これが,今日までずっと続いている。

    「アイヌ」の利用は,2通りである。
    一つは,政治的利用。
    もう一つは,経済的利用である。

    利用する者にも2通りある。
    "アイヌ" を自称する者── 以下 "アイヌ" と呼ぶ──と,彼らに対して "シャモ" を演じる者である。
    但し,"アイヌ" は,"シャモ" に利用される (踊らされる) 格好になるのが定めである。


    「アイヌ」を政治利用する者は,それぞれ独自の政治イデオロギーに即いている者である。
    このイデオロギーのセットを,"アイヌ" イデオロギーと呼ぶことにする。
    このイデオロギーは,人民革命イデオロギーに溯る。
    全体として,社会主義を基調とする。

    このイデオロギーは,"アイヌ" を「窮民」として利用する。
    "アイヌ" は,この利用に乗っかる。
    即ち,「窮民手当」を己の利として,彼らと協力関係になる。


    「アイヌ」の経済利用は,"アイヌ" の側からだと「観光アイヌ業」であり,"シャモ" の側からだと「アイヌ利権」である。
    「アイヌ利権」は,「アイヌ観光」に係わるものと,「窮民手当」に係わるものの,2通りがある。
    後者は,"アイヌ" イデオロギー勢力と共生関係になる。
    "アイヌ" を地元におく自治体は,「アイヌ観光」「窮民手当」兩方の「アイヌ利権」になる。


    しかし「窮民手当」は,世情に合わなくなる。
    そこで,「アイヌ利権」は,これを「先住民族手当」に言い換えることを画策してきた。

    「利権」というと悪いことのように思う者がいる──実際多い──が,それは間違いである。
    商品経済は,利権で回る。
    「アイヌ利権」も,機能は商品経済への貢献である。

    いまの政権は,景気浮揚を最重要課題にしている。
    そこで,「アイヌ利権」は,現政権が大事にするところとなる。
    この結託が成って,現在「先住民族」が立法されようとしている。


    以上のことは,アイヌの事実を知る上で,雑音となるものである。
    そこで,<アイヌの事実を知る>には,<この雑音を知っておく>が含まれる。
    雑音のはなしは本来アイヌ学の内容ではない。
    かくして,『アイヌ学入門』となるわけである。