Up モナシノウク ? - ? 作成: 2018-11-17
更新: 2018-11-17


      砂沢クラ (1983)
    p.120
     精華女学校が分教室を開いた日曜学校は、アイヌ学校のすぐ向かいにあって、金成マツさん (ユーカラ伝承者、キリスト教聖公会伝道師 一八七五〜一九六一) が先生をしていました。
    日曜学校の建物は普通の和人の一階建ての家で、玄関を入ると廊下をはさんで右手に八畳間の和室の教室が二つ、左手に金成さんと養女の幸恵さん (「アイヌ神話集」の著者、知里真志保の姉、一九O三〜一九二二) が住んでいた六畳間と台所、フロがありました。

    p.124
     金成さんのお母さんのモナシノウクフチが遊びに来ていて、母がフチに「ユーカラを聞かせて」と何度も頼んだのですが、フチは恥ずかしがってなかなか始めません。
    すると、幸恵さんが「じゃあ、私がする」と言って、座布団をまくらにしてあおむけに寝てユーカラを始めました。 フチが「起きてしなさい」と言って、幸恵さんを起こしていた姿がいまも目に浮かびます。


  • 引用・参考文献
    • 砂沢クラ (1983) :『ク スクップ オルシペ 私の一代の話』, 北海道新聞社, 1983